シルクロード日誌

日本シルクロード文化センターのブログページです。シルクロードに関する情報、コメント、旅日記などを綴ります。
シルクロードの世代交代

 明日12月9日は第98回目のシルクロード講座です。

 記録を振りかえってみると第1回シルクロード講座は2006年の5月でした。

 もうすでに12年も前のことです。その講座のテーマは「シルクロードって何?」でした。

 第2回は「西域を切り開いた人たち」、3回は「シルクロード探検史」などと続きました。

 

 そして来年1月は第99回。当然のこととして2月は100回記念です。

 果たして100回という節目が記念すべき時なのかという思いはあるのですが、ともあれ回を重ねてきて日本シルクロード文化センターは100回を迎えます。

 首都圏のシルクロード関係者の皆さんと各種のシンポジウムや集会などでお会いすることがあります。お会いする方がたも少しずつ減ってきています。そのうち私もその一人になるでしょう、間違いなく。この世界もやはり消長の波があります。その主要な原因は高齢化です。

 その団体やクラブの中心的なボスが高齢化で動けなくなったり亡くなったりすると、そのまま消えてしまう会があります。ですから、どこの世界でも同じなのですが、新しい世代の育成が必要です。

 そこで問題が起こります。若い世代の継承、新しい世代の育成の課題となると、古いボスが自分の歩んだ道を継承させようとする問題です。これでどこもうまくいかなくなります。

 私自身も、シルクロード研究の分野で、日本シルクロード文化センターの運営で、あるいは私の専門分野であるスポーツ分野でも気を付けなければ、“悪しき継承”につながりません。

 

 ともかく明日は師走の忙しい時でしょうが、時間があれば狛江(和泉多摩川駅)までお越しください。題して、

「青海チベットと寧夏回族自治区のカラホトの旅ー2018シルクロードツアー」報告:瀬戸山 修(クラブの役員です)さん。

 

目的地は、ここカラホト(黒水城)。でも10年前とは大違いで、

監視カメラは無数にあり、スピーカーでは怒鳴り声がわめき散らしていました。

”シルクロードは遠くに・・・”悲しい思い出になりました。

上海到着して、西寧行きの飛行機に乗り遅れました。

やけ気味でかわいい女の子と遊んでいました。

青海省の村の祭りでおばあさんたちと・・・

ガイドの夫の側のおじいさんとお嫁さんと娘たち

 

ゴビ灘の夕日は、すさまじいほどの美しさでした

| シルクロード | 11:35 | comments(0) | - |
強制収容所からの生還者の生の声を聞きました

 11月29日付のしんぶん「赤旗」に「手足に鎖、8カ月で体重が半減 『新疆ウイグル自治区』中国のイスラム教徒拘束 告発」という記事が、国際欄の1ページの半分近くを占めて、11月23日に開かれた明治大学での講演会の模様を掲載していました。

今年9月にカシュガルへ旅行した日本人旅行者が撮影したという

大量の「監視カメラ」の列です。 

 

 私はかねてから“同じ共産党を名乗っているんだから、誤解されるといけないからウイグルの現状を報道をしてほしい”と、私のブログや小論をメールで送りました。

 台湾の先住民族の反乱事件「霧社事件」についても書き送ったことがあります。

 

 今回のウイグル問題(本当は、中国問題、なのですが・・・)についても注目していましたが、これまで2〜3の小さな記事があった以外は、初めての大見出しの記事でした。これは高く評価したいと思います。

 

 おそらく、記者が実際に目にしたことでなければ、他社の記事やネットの記事を参考にしては書けなかったのでしょう。メディアとしては当然のことなのですが・・・ 

 記事の内容は、私が書いた内容と同じでした。恣意的なものは何もありませんでした。

 

 これらの一連の大弾圧事件、民族を丸ごと消滅させるような目的をもって行われていることは、どうやればやめさせることができるのでしょうか?

 

 中国国内のウイグル民族自体は、“声を出せば拘束され、殺される”かもしれない状態です。もっと具体的に言うと、イスラム教徒であるウイグル人たちが、クルアーンを口に出せば(クルアーンは声を出して読むことを義務付けています)、毎日の決まった時間に礼拝をすれば、そして女性は頭にヘジャブをまけば、拘束です。これではすべてのウイグル人、トルコ系民族やペルシア語を話す民族は、全員が拘束されてしまいます。あたりまえの宗教活動ができません。

 

それであれば、中国国内の主として漢民族が立ち上がらなければなりません。彼らも 同じように中国の党と政府から、中国憲法と党綱領にも明記されている民族の平等、言論、出版、集会の自由などがあるからですが、それはもうとっくに名目上のことで、モノ言えば唇寒しどころか命さえも危うい状態です。

 

 そうであれば、日本やアメリカ、EU各国の先進国や民主主義が確立している国際社会が中国政府に圧力をかける以外ありません。

 しかし、我が国のメディアには「忖度」をモットーとするメディアが少なくない数で存在しています。そうでない大新聞社でも、中国国内での取材に困るからと、これも「遠慮」して書かないところがあります。

 

 日本にいるウイグル人はどうでしょうか。

 2月9日に池袋で行なわれた、世界ウイグル会議主席のラビア・カーディル講演会では驚きました。あれは右翼の集会だったのです。日の丸と君が代が歌われれば、それはだいたい右翼の集会ですが、そこに多くのウイグル人が出席していたのです。

 座っている日本人の多くは、街頭で「ヘイトスピーチ」をするようなメンバーです。

 かれらウイグル人たちは「わたしたちウイグル人を応援してくれる人は、だれでもいい人」と思うでしょうが、中には頭の先からつま先までズッポリ右翼に染まり切っているウイグル人もいるのです。残念なことです。

 

 “溺れる者藁をもつかむ”という言葉がありますが、日本の政治状況や政党分布などに疎(うと)いウイグル人(おしなべて外国人はそうですね)は、飛びつくわけです。

 中国共産党に反対だから「反共」「反中国」と単純なのです。そこに右翼が甘いエサを投げるのですから、カンタンに引っかかります。そうであってはならないのですがね。

しかし、23日の集会にも多くのウイグル人がいました。2月9日の講演会には顔を出さなかったウイグル人がいたのです。そして彼らは私の知り合いが多かったのです。とてもうれしい気持ちでした。

 

 そのウイグル人ですが、在日のウイグル人でさえもが分裂状況です。

 カザフスタン、トルコ、アメリカやスウェーデンなどにいるウイグル人の「国際組織」は、互いに主導権争いをしていてまとまりません。これでは「力」になりません。

 

 いま大切なことは、

すべてのウイグル人がまとまること。

統一した指導部を持ち、世界共通の「方針」を持つことです。

それでなければ、“遠吠え”にすぎなくなります。

 

 そして、それに加えて重要なことが、国際世論です。

 いまは、あなたの応援が必要です。

 このままでは、ウイグル民族は絶滅します。

 

 

「反テロ」のスローガンがはためくカシュガルの街。

トラックには軍警の兵士たちが満載です。

バザールのひと時

| シルクロードの光と影 | 16:52 | comments(0) | - |
強制収容所からの生還者の生の声を聞きました

 ※初めにお知らせです。

 きょう28日(金)午後10時からNHK BS1チャンネルで「ニュース国際報道 衝撃発言 ウイグル族収容の実態」という番組案内があります。11月23日の明大での集いでもNHKの報道カメラが撮影していましたから、(おそらく)この時の証言が報道されるものといえます。NHKとはいえ、ぜひ視聴をおすすめします。違う内容でしたら、ゴメンナサイ。

  引き続き、「中国・ウイグル100万人とその家族の正義を」と題する、アムネスティ国際ニュース18年9月26日の事務局発表ニュース記事をお伝えします。途中で私の見聞したや意見も含めます。

カシュガルのエイティガルモスク。いま、ここはどうなっているのだろう。

 

 新疆ウイグル自治区のウイグル族など少数派に対する弾圧をやめ、推定100万人にのぼる人たちの拘束を解くべきである。 

 

 同自治区ではこの1年間、多くがイスラム教徒のウイグル族やカザフ族の住民多数が、「再教育施設」に収容され、教化、同化などを受けてきた。残された家族は、突然連行された夫あるいは妻や子どもがどこでどういう扱いを受けているのか、知る由もない。どこかに訴えたくとも、報復を恐れてそれもできない。家族の苦悩は増すばかりだ。

 

 国際社会はこの事態を傍観せず、中国政府に対し、説明責任を果たすべきである。

 アムネスティは、新疆ウイグル自治区在住の家族や知人が行方不明になったという100人あまりの国外在留者、さらに再教育施設で過酷な扱いを受けたという元被収容者たちに、聞き取りをした。

 

 大規模な拘束

新疆ウイグル自治区での弾圧が強化されたのは、昨年3月、同自治区に「反過激主義規則」なるものが適用されたことが契機だった。宗教的あるいは文化的な表現が公私の場を問わずに、「過激主義」とみなされ、「普通でない」あごひげを生やす、ベールやヘッドスカーフを着用する、イスラム教やウイグルに関する本や記事を所持する、定期的な祈り、断食、禁酒などが摘発の対象となっている。

 

※私は、アムネスティや「各種報道機関の「ウイグル族」という言い方、書き方が嫌いです。「民族」が違うということは、ほとんどすべてが違うということになります。「・・・族」という言い方、使い方をするということは、「違いの強調」につながります。違いを強調するのではなく、おなじ人間だということを強調してほしいと思っています。ですから私は、ウイグル人あるいはカザフ人という言い方・書き方をしています。

 

 

 海外、特にイスラム系の国での勉学、仕事、あるいは国外の人たちとの接触は、疑いの目を向けられ、老若男女問わずだれもが拘束対象となる。

 

 ※、以前、この欄で友人の妹が、ウルムチからトルコへの普通のツアーに行っただけで拘束されている、と書いたことがありますが、しかし、政府にとっては、それだけでも政府にとっては立派な拘束理由になっていたのですね。

 

 

 顔認証ソフトやメールや通話の検問など、監視の目はいたるところに張り巡らされ、プライバシー保護の技術を使ったメッセージやアプリを使うだけでも拘束理由になる。

 

 中国当局は、被拘束者を留め置く施設を「教育による転向」のための施設と呼ぶ。罪を問われ裁判にかけられるわけではないため、弁護士はつかず、異議申し立てもできない。転向に抵抗すれば、罵声を浴びせられたり、暴行されたり、食事を与えられなかったり、個室に閉じ込められたりするという。いつ「転向」できたかの判断が当局次第のため、被収容者には、先が見えない日々が何ヶ月も続く。

 

 中国当局は、テロ対策や治安確保のための非常手段もやむなしとするが、その手段は特定の脅威を念頭に、極力、対象者を絞った限定的なものでなければなららない。ところが、収容施設は、洗脳、拷問、処罰の場と化している。

                          (続く)

パキスタン国境に近いカラコルムハィウエイのカラクリ(湖)でのキルギス人のおじいさん

2004年に訪問したウルムチの「新疆歌舞団」。以前はソ連の領事館だったため門柱にはレーニンの胸像がある。

ここのスタッフやアクターたちも今は・・・

| シルクロードの光と影 | 04:11 | comments(0) | - |
強制収容所からの生還者の生の声を聞きました

  今回からは、国際アムネスティや水谷尚子さんのリポートによるリポートなどを含めて私の意見を書かせていただきます。

 ホータン郊外の農民「日本は水が多いだろうから、それをこっちに持ってきてくれよ」といわれました

 

 私たちが昨年、久しぶりのシルクロードツアーを企画していたところ、いつも同行してくれるガイドのNさんから国際電話が来ました。「野口さん、ツアーを中止してください」と。「いろいろ難しいことがあるからだろうね。じゃあ、僕が1人で行くというのはどう?」と聞くと「それも無理ですね」という返事でした。彼とはそれが最後の連絡になりました。それほど私や私たちは新疆の情勢が実際上の大問題として存在しているのだということを呑み込めていなかったのです。

 

 その前に新疆へ行ったのはいつのことだろう。もうしばらく行っていません。新疆の情勢が風雲急を告げていることがわかっていたからです。その前から私は、水谷尚子さんのように、いつ北京空港で「入国禁止」に会うかわからないとい危険性もあったので、新疆行きを控えていたからです。

 

 すでに2014年頃からホータンやカシュガルでは、街の中心地にコンクリート製の防護壁がつくられ、完全武装の軍警の兵士が小銃の引き金に指をかけて「警備」をする姿が目に焼き付いていたのを見ていました。そういう兵士を素でのウイグル人が襲うわけがないのにです。目的と狙いは一般のウイグル人に、「テロをするものがこんなにいるんだから、みんなも警戒しろ」ということなのです。

 

私は水谷さんのように世界ウイグル会議の主席を日本縦断講演会に案内するようなことはしていませんでした。具体的な反中国政府や党にたいする活動ではなく、文章で中国批判をしているから大丈夫ではないかと思っていたのですが、もうウイグル人やカザフ人らに対しては、その範囲をとうに超えていることがわかってきました。実際に共産党員でもあった弁護士たちの多くが拘束されていたことを見れば明らかでしょう。

 

 アムネスティ国際ニュース10月16日によると「この1年、中国政府は、新疆ウイグル自治区のウイグル人やカザフ人らに、主にイスラム教徒である民族集団について、大量収容、住民などの立ち入り禁止、強制的な政治教育や文化的同化などを進めてきた。収容されている人たちのほとんどの家族は、本人の消息や安否を知る由もなく、しばしば、事態の悪化を恐れ、口を開くことはない。

 

新疆ウイグル自治区での弾圧が強化されたのは、昨年3月、同自治区で『脱過激化条例』が制定されたことが契機だった。同条例のもとでは、公私の場を問わずイスラムやウイグルの宗教や文化にかかわる行為を、『過激派』だとみなされ得る。そのような行為には、『異常なひげ』の蓄え、全身を覆うヒジャブの着用、定時の祈り、断食や禁酒。宗教や文化にかかわる本や文書の所持などがある。外国、特にイスラム教徒が多い国での就業や留学、あるいは国外の人たちとの通信や接触も、条例違反を疑われる大きな理由となっている」とレポートしています。

 

本気でそのようなことを考えて『脱過激化条例』を制定したのであれば、すべてのウイグル人やムスリムの少数民族がその対象になります。恐ろしいほどのジェノサイド政策です。ポルポトもヒトラーもスターリンも脱帽です。

 

 新疆ウイグル自治区人民政府主席は10月16日、ウイグル人やカザフ人ら100万人にも及ぶイスラム教徒らが送り込まれた収容所について、「無料の職業訓練校だ」とコメントしました。

 この発言は。強制収容所であることを示す数多(あまた)の証拠を否定するもので、被収容者やその家族に対する侮辱である。政府が組織的にウイグル人らを拘束している事実は、隠しようもない。

 

 大勢の人びとが収容されているこれらの収容所群は、明らかに懲罰や拷問のための施設であり、職業訓練所ではありえない。『収容所で暴行や食事はく奪、独居拘束などを受けた』という報告が絶えない。その結果、被収容者は多大な苦痛を強いられている。

 当局は、速やかに収容所の実情を明らかにすべきである。

 同国際ニュースから

 

カシュガル市内で

あるオアシスのホテルの入り口にいた女性。

| シルクロードの光と影 | 09:00 | comments(0) | - |
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