シルクロード日誌

日本シルクロード文化センターのブログページです。シルクロードに関する情報、コメント、旅日記などを綴ります。
100万人のウイグル人やカザフ人たちを救って!

26歳のカザフ人学生、ボタ・クサインさんとその家族は、2013年に中国・新疆ウイグル自治区からカザフスタンへ移住し、そこで幸せに暮らしていました。ところが、2017年11月、父親が治療を受けるために同自治区へ戻ったきり、帰ってきませんでした。

 

3カ月後、「再教育のために」強制収容所へ送られたことを親族から聞かされました。父親の消息は、依然として不明です。

 

ボタさんの話は、めずらしいものではありません。

中国・新疆ウイグル自治区では現在、100万人にのぼる人々が、不当に拘束されているとみられています。その多くはイスラム教の信仰を持つウイグル人やカザフ人たちで、宗教・文化を大切にして暮らしている人たちです。

この拘束は、国家と中国共産党への政治的忠誠を強化させるために、信仰や文化的アイデンティティを捨てさせようとする中国政府の取り組みの一環です。

 

100万人にも及ぶウイグル人やカザフ人たちの不当な拘束をやめるよう、中国政府(駐日中国大使)に要請してください。

 

新疆ウイグル自治区では、治安強化の名の下に「脱過激化条例」が2017年3月に制定されました。それ以前から行われてきたウイグル人たちの収容などの弾圧は、この条例制定以降、さらに激しさを増し、ボタさんの父親のようにテロや過激派と無関係の人が、大量に拘束されています。

 

この条例は禁止事項として、「正常でないヒゲを蓄えること」「公共の場で全身を覆うニカブや頭を隠すヒジャブを着用すること」などを列挙しています。同条例のもと、「定時にお祈りすること」「イスラムやウイグル文化に関する書籍を所持すること」「飲酒を断ること」「国外へ留学すること」「国外と連絡を取ること」も、「過激派の徴候である」と見なされかねません。

 

ボタさんの親族も、疑われることを恐れて、連絡を絶ってしまいました。

条例は2018年10月に修正され、収容先として「職業技能教育研修センター」が設けられることになりました。同センターについて自治区人民政府主席は、「テロと宗教的過激派を育む環境と土壌を取り除くことを目的に、共通語(中国語)教育、法知識教育、そして職業訓練を無料で行っている」と説明し、上述のような大量拘束を正当化しようとしています。

 

しかし、同センターでは拷問や虐待が行われており、死者すら出ているという情報が、ひっきりなしに寄せられています。

| ウイグル情報 | 03:20 | comments(0) | - |
いま新疆シルクロードは地獄と化している!! ――あるウイグル人の慟哭――

【アメリカを読む】中国ウイグル族「再教育」に米国の関心急上昇 ウイグル団体、制裁の効果アピール

※引用の最後の部分です。

 

 中国・新疆ウイグル自治区で、多数のイスラム教徒の少数民族ウイグル族らが「再教育収容所」に入れられているとされる問題への関心が米国で急速に強まっている。トランプ政権は自治区トップへの制裁を検討中と報じられてきたが、米議会では超党派の上下両院議員がトランプ政権に対し、制裁実施を促す書簡を送り、米主要紙も再教育収容所を問題視する社説を掲げて、中国による人権侵害を非難した。

 

 「制裁で米国として中国が行っていることを座視しない意思を示せる。中国は全体主義的な行動を止めないかもしれないが、高官への制裁は最終的には効果をもたらすはずだ」

 ウイグルの合法的な独立を目指す東トルキスタン国家覚醒運動のサリー・フダヤール氏に制裁について尋ねると、国際社会からの圧力強化が長期的に効果が出ると強調した。

 

 フダヤール氏は8月30日の「強制失踪の被害者のための国際デー」に合わせて米首都ワシントンで開いた記者会見で、ウイグルでは「再教育」を名目に親と子供が引き離され、女性が強制労働に従事させられているとして国際社会の協力を訴えた。「少なくとも300万人」が拘束されたとも述べた。

 

 また、米国のNPO「ウイグル人権プロジェクト」のニコール・モーグレット氏は、イスラム教徒約1000万人以上の10人に1人に当たる100万人以上が拘束され、「拷問や虐待を受け、イスラム教を否定し、習近平国家主席や中国共産党をたたえるよう強制されている」と訴えた。

 

 フダヤール氏らは中国政府に圧力をかけるため、人権侵害に関わった外国政府高官に対して適用される「グローバル・マグニツキー法」に基づく制裁の実施を米政府や議会に働きかけている。第一の標的は習氏に忠実な陳全国・新疆ウイグル自治区党委書記だ。米メディアによると、陳氏は2016年に就任して以来、自治区のトップとして「再教育収容所」の整備や、ハイテク設備を使った住民監視システムの構築に当たったとされる。

 

 ルビオ(共和)、メネンデス(民主)両上院議員を含む超党派の上下両院議員17人は8月28日、ポンペオ国務長官とムニューシン財務長官に宛てて書簡を送り、グローバル・マグニツキー法に基づいて陳氏を含む共産党幹部や中国政府高官に対する制裁を実施するよう求めた。

 

 書簡は「自治区では人権上の危機が進行中であり、少数派のイスラム教徒が恣意(しい)的な拘束、拷問の対象となり、デジタル化された監視システムで日常生活は全面的に監視されている」と指摘し、米政府だけでなく国際社会として中国に対して強い姿勢で臨むよう訴えている。

 

 8月にスイス・ジュネーブで開かれた国連の人種差別撤廃委員会では、中国政府代表団が、100万人以上が再教育収容所に強制収容されているとの指摘は「完全な捏造だ」と否定した。2018.9.13 07:00

 

 主要紙は同月29日付の社説でその際に中国側が「軽微な罪を犯した者を職業技術教育就業訓練センターで学ばせている」と述べたと報じられたことを挙げ、「中国政府が初めて(収容所の)存在を認めた」とした。また、「習氏の下、迫害は毛沢東の文化大革命以来で最も極端なものになっている」と非難した。

 

 ペンス副大統領も「数百万人」のイスラム教徒が再教育収容所に入れられているとの見方を示しているが、陳氏らへの制裁は発表されていない。人権団体関係者は「米中の貿易戦争が激化する中、トランプ政権は戦略的にその時期を判断しようとしている」と語り、制裁の実施は時間の問題との認識を示した。(ワシントン 加納宏幸)

| ウイグル情報 | 06:02 | comments(0) | - |
いま新疆シルクロードは地獄と化している!! ――あるウイグル人の慟哭――

 

 「ウイグル人は優遇されている」逆差別との不満広がる

 

 この状況を中国共産党はどう解決しようとしているのか?その対策は「アメとムチ」で言い表せるだろう。
 
 まずは「ムチ」について。新疆ウイグル自治区当局は5
月23
日、1年間のテロ活動厳打(厳格な取り締まり)キャンペーンを開始。大量の警察力を動員しての大量摘発を行っている。ターゲットは原理主義勢力の関係者、ネットで抵抗を呼びかける動画を流したもの、かつてテロに関する軽微な犯罪を起こし悔い改めていない者だという。

 中国当局はETIMなど独立派、原理主義勢力が制作した扇動動画がネットや記憶媒体を通じて流通していると主張している。6月23日時点で32グループを摘発、380人を拘束したと発表されている。その多くは逮捕後間もなく有罪判決を出されるという異常事態だ。
 
 また中国国有英字メディアのグローバル・タイムズは「ベールをつけている女性は原理主義勢力の影響を受けている」と明言。他にもウイグル族の村書記が信仰を捨てなかったという理由で党籍を剥奪されるなどの厳罰が科されている。共産党員の信仰は禁じられているとはいえ、有名無実化しているのが現状。一罰百戒を狙った脅しと言える。
 
 一方で「アメ」も用意されている。5月28日、29日に北京市で開催された第2回中国共産党中央新疆工作座談会では大々的な支援が打ち出された。学費の無償化、企業の新疆ウイグル自治区への進出とウイグル人従業員の雇用奨励。貧困層や遊牧への給付金拡大。インフラ整備の拡充などが列挙された。

 

実現困難な中国のシナリオ

 

 警察力で当面の事件を押さえ込みつつ経済支援によって不満を解消、統治を安定させる。それが中国政府の描くシナリオだろうが実現は難しい。
 
 第一にウイグル人の不満の多くは中国全体の悩みだからだ。格差の拡大、権力者とつながりがすべてを決めるコネ社会、思想的な自由の抑圧。これは中国全土に共通している問題だ。新疆だけがその問題を解消することは不可能だろう。
 
 第二に漢民族による嫉妬という新たな問題も浮上している。まじめに働きもしないで文句ばかり言って多額の補助金をむしりとっている、優遇政策を受けられて不公平だ、警察も民族衝突を恐れてウイグル人を取り締まらない……。そうした不満が広がっている。庶民レベルだけではなく、中国政府のブレーンや官僚の間でも少数民族の優遇や独自の文化の保護を廃止する第二世代民族政策の導入を唱える声があがっている。
 
 一時的な封じ込めはできたとしても、武断的な対応がさらなる不満を呼び、より大きな爆発へとつながる。こうした悲観的なシナリオが現実になる可能性のほうが大きいだろう。
 
 アメリカの後を追って「テロとの戦い」を宣言した中国政府。当時、敵となるテロリストが本当に存在したのかは疑問だったが、その後の武断的な支配によって実際に敵を作り上げてしまったかのように見える。こうなってしまってはもはや特効薬はなく、どれほど困難であっても個人の権利が守られ民族文化が尊重される真っ当な社会作りにチャレンジするしか解決策はないだろう。

 「内なる敵」を作り出してしまった中国の失敗、それは日本にとっても無関係ではない。民族、階層、地域……人々を分断する境界線が強化され「内なる敵」という認識が広まれば、対立を解消することはきわめて困難だ。外国人労働者の受け入れ、雇用の流動化、地方の疲弊など時代の転換期にある日本にも落とし穴は用意されている。隣国が犯した失敗を繰り返さない智慧が私たちには求められている。

| ウイグル情報 | 04:04 | comments(0) | - |
いま新疆シルクロードは地獄と化している!! ――あるウイグル人の慟哭――

これからご紹介する文章は「次世代 総研」というところが発行したものです。

私は世事に疎いものですから、上記の団体あるいは出版社が、どのような性格のところなのか知り得ません。しかし、現在のウイグル問題については、かなり正鵠を得ているものと判断しましたので、そのままコピーして掲載します。ご了承ください。野口

 

2014年07月01日 更新

 中国の民族問題といえば、チベット問題を想起する読者も多いだろう。しかし近年では、ウイグル人を巡る民族問題も緊張を高めている。相次ぐウイグル人による事件を受け、中国は全国的な「対テロ戦争」を宣言した。しかし戦うべき敵はもともと存在しなかった。武断的な支配によって中国が自ら生み出してしまったものでしかない。民族や階級、地域といった境界線を強化し「内なる敵」を生み出してしまった隣国の失敗を日本は繰り返してはならない。

 10年以上にわたり「テロとの戦い」を続けるアメリカ。しかし、いまだにその泥沼から抜け出せずにいる。
 そして今、中国も国内の少数民族ウイグル人との「テロとの戦い」にのめりこもうとしている。ただし、両国には大きな違いがある。海外の脅威と向き合う米国とは違い、中国はその武断的統治により国内に「テロリスト」を作り上げてしまったのだ。
 中国を覆うウイグル人への恐怖とは何か? その背景とは? 日本に対する影響とは?
 これらの問題について考えて行きたい。

 

 中国を覆うテロの恐怖

 

多民族国家・中国には漢民族以外にも政府に認定された55の少数民族が存在する。その一つがウイグル人だ。

 ウイグル人の人口は政府発表で約800万人。その大半が中国西部の新疆ウイグル自治区に居住している。
 ウイグルの名を冠する同自治区だが、総人口約2200万人のうちウイグル人は40%あまりを占めるに過ぎない。入植が進む漢民族と人口ではほぼ拮抗している。
 (筆者註 ウイグルの人口は実際は1000万人を超えているといわれている。また、漢族の占める人口比は、とっくに5割を超えていると思える)。


 中国の民族問題というと、チベット問題が取り上げられることが多かったが、昨年からウイグル問題が緊迫化している。主要な事件だけでも以下のとおり続発している。
 
 2013年10月28日、天安門車両突入事件。ウイグル人3人を乗せた車が天安門前に突入、炎上。容疑者を含め5人が死亡した。
 2014年3月1日、昆明駅暴力テロ事件。ウイグル人5人が刃物で通行人を殺傷、29人が死亡。
 2014年4月30日、ウルムチ駅自爆事件。容疑者2人を含む3人が死亡。
 2014年5月22日、ウルムチ市朝市自爆事件。容疑者4人を含む43人が死亡。
 2014年6月20日、ホータン地区検問所放火事件。警官5人が死亡。
 2014年6月22日、カシュガル地区警察ビル車両突入自爆事件。容疑者13人が射殺された。
 
 他にも派出所襲撃事件、デモと警官隊の発砲など情勢緊迫を伝えるニュースは枚挙に暇がない。いつ市民を巻き込むテロが起きても不思議ではない。そうした恐怖が中国社会に広がっている。

| ウイグル情報 | 07:02 | comments(0) | - |
いま新疆シルクロードは地獄と化している!! ――あるウイグル人の慟哭――

 

 これからご紹介する文章は「次世代 総研」というところが発行したものです。

 私は世事に疎いものですから、上記の団体あるいは出版社が、どのような性格のところなのか知り得ません。しかし、現在のウイグル問題については、かなり正鵠を得ているものと判断しましたので、そのままコピーして掲載します。ご了承ください。 野口

 

ウイグル問題が米中の新しい火種に 200万人拘束情報も

2018.09.02 07:00

 中国の新疆ウイグル自治区では「中国からの独立」を叫ぶ少数民族のイスラム教徒ら200万人が身柄を拘束されており、自治区内に巨大な収容所が数十カ所も建設されていることが明らかになった。収容所建設は数年前から始まっており、収監者は自治区の全人口である800万人のうちの25%にも達している。英紙「フィナンシャル・タイムズ」が、ドイツのミュンヘンに拠点を置く世界ウイグル会議のドルクン・イサ代表の話として報じた。

 イサ氏は収容者数について、「今年初めには100万人ほどが収容所にいると聞いた。釈放された人がいるという話を聞いていない。いったん収監されたら、一生出られない。半年以上経ったいまも連行は続いており、いまや200万人以上だが、正確な数字は私たちにも分からない」と答えた。

 同紙によると、同自治区では、中国当局による「反テロ対策」により両親と親戚が拘束され、子供が孤児状態になったケースが何千件にも上っている。

 正確な収容所数は不明だが、米ワシントン大学に留学し、修士課程を修了した中国人留学生の張肖恩氏が米国の衛星監視システムで撮影した同自治区の画像を解析した結果、いまのところ21カ所の収容施設を発見している。そして、いまも建設中の収容施設が数カ所分かっているという。

 張氏は北京大学卒業後、ワシントン大に留学後、いまはカナダのブリティッシュコロンビア大学の博士課程で人権問題を解決するため、法学を専門に研究している。

 

張氏は1989年6月の天安門事件に関するドキュメンタリー映画を観て、中国共産党政権による人権無視の実態を痛感。同自治区での独立運動やチベット問題などに関心を持ち、法律の知識が中国の人権問題に立ち向かう力になると考え、研究を続けている。

 張氏が今年3月、中国版ツィッター「微博(ウェイボ)」で、反共産党の論文を発表すると、数時間後には中国内在住の両親が警察に呼び出されるなどの圧力が加えられたという。

 中国外務省は、6年間北京に駐在してウイグル問題などを報じてきた、米ニュースサイト「バズフィード」のメーガ・ラジャゴパラン支局長の記者ビザの更新を拒否。同支局長は国外退去を余儀なくされている。

 これに対して、在中国外国人記者協会は同氏へのビザ更新不許可について、「遺憾で受け入れられない」との声明文を発表するとともに、中国外務省に対して説明するよう求めている。また、北京の米国大使館も「中国に在住する記者の活動が著しく制限され続けている」として懸念を表明。

 これを受けて中国外務省報道官は8月下旬の記者会見で、「内政に干渉してはならない」と強く反発するなど、ウイグル問題は貿易問題に次いで、米中間の新たな外交問題に発展しつつあるようだ。

| ウイグル情報 | 10:16 | comments(0) | - |
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