シルクロード日誌

日本シルクロード文化センターのブログページです。シルクロードに関する情報、コメント、旅日記などを綴ります。
ウイグルの報道とは・・・

きのうの朝日新聞朝刊を見て驚きました。一面のトップの記事です。

ウイグル族女性「私は中国人」新疆ウイグル自治区「再教育施設ルポ」という記事が躍りました。

“やっと朝日もウイグル人の苦しみを理解して報道するようになったか〜〜”と驚きながら読みました。

 

記事の内容は中国当局の主張をそのまま掲載しています。

取材先は南疆カシュガルの市街地から30分ほどのシューロー県(漢字のシューローの文字が出てきません。ローは「勒」)にある「職業技能教育訓練センター」です。

これがきのうの「朝日」です

 

余談ですが、私が新疆に一人の友人もいないときに、初めて単独で新疆を訪問したのが、この県の県庁でした。驚くことにカシュガルの空港に着くと、県長自らが出迎えてくれ、トヨタのランクルが2台、乗用車が3台もわたしを出迎えてくれました。わたしを、かなりの日本の大物だと思ったのでしょう。毎日、大歓迎。朝・昼・夜の食事も大変豪勢なものでした。しかし、私が嘘をついたわけではないのですが、大物ではないと分かってからは、ウイグル人の中国語通訳の青年一人が付き添ってくれただけでした。しかし、そのおかげでウイグル人の実際の姿を知ることができたのです。

 

記事ではまず「週1帰宅も可」として当局の言い分をそのまま載せています。なんということでしょう。いま、国連の舞台をはじめ日本でも大きな問題になっている客観報道がないのです。これは中国当局を忖度していることの何ものでもないことだといえます。

 

囚われているウイグル人たちが、外国取材陣の前で本当のことを言えると思うのでしょうか。「私は私の意に反して囚われている」と。もちろん、取材に制限があることをわかります。

 

2007年7月5日のウルムチにおける残虐な殺戮の後日、“夫が帰ってこない”と100人余りの主婦たちが、各国取材陣の前に口々に訴えました。世界の報道は、その主婦たちをいっせいに報道しましたが、翌日から彼女たちの誰一人として人前にも家族の前からも姿を消したことを報道してはいません。

2009年7月のウルムチ市街地で「夫を返して!」と叫ぶウイグル人主婦たち

軍警の弾圧にも負けまいと抵抗する主婦たち。

彼女たちはこの日を境として姿を消した。

 

朝日の特派員がそれらのことを知らないはずがありません。

これはどうしたことでしょう。まさか中国当局を慮ったわけではないでしょうね。

 

昨日今日の在日ウイグル人はこのことを大騒ぎして批判しています。

いわゆる、ネトウヨも、ここぞとバカラ朝日を攻撃しています。

朝日よ、これらの批判・攻撃にきちんと反論せよ!

 

 

| ウイグル情報 | 11:37 | comments(0) | - |
ウイグル人の友人が還ってきました

4月3日水曜日の午後、かなり深刻な会議をしているところへスマホに電話がかかってきました。ウイグル人の私の最も親しい友人Nさんからでした。

「おおっ!Nさんか、生きていたのか!!!」と驚きの声をあげました。みんなも何ごとだろうと驚いていました。

 

30秒も話をすると切れてしまいます。もう一度かかってきた電話では「ここではいつもこのようなことがあるんですよ」といいますが、この後は互いの家族の様子を話すくらいしか話せません。当局がちゃんと聞いているからです。

 

彼のように、旅行会社のガイドですと多くの外国人と接します。普通ですと、このようなウイグル人は、みな、「再教育センター」入りが必要となるのですが、(おそらく)あまりにも多くの人を強制収容してしまったので、会社でも人手が少なくなってしまったのでしょう。奥さんも一緒に過ごしているとのこと。

とにかくこれはこれで、涙が出るほどうれしいことでした。

でも、まだまだ数多くの人が強制収容されています。

 

 

べつのはなしですが、きのう、今はなくなった「シルクロード倶楽部」の元会員という友人から、「部屋を整理していたら『ウイグル語辞典』」が出てきましたので、お入りようでしたらお送りしましょうか」というメールが来ました。

 

その倶楽部のボスは、“ウイグルの独立運動をやるから・・・”という理由で、せっかくの倶楽部と事務所を閉鎖してしまいました。

 

それはそれで残念だったのですが、事務所の中でも「北京オリンピックに行ってだれか爆弾を投げ込んでチャンコロを殺して来い」というような会話が飛び交っていました。私はその場で「ちゃんころ」という言い方に抗議をしました。

 

シルクロード関連というと、えてして“少数民族を弾圧する憎い中国共産党”という構図が出てきます。

中国共産党や中国政府が嫌いということはあっても、それはその人の思想・信条の問題です。しかし、その手段として爆弾を投げ込んで来いということは論外です。これこそテロ行為です。

 

わが国では歴史のある反共右翼の団体や人物がいます。

しかし、その多くは非合法な形で暴力を使い、麻薬やなにかを取引したりします。

いわゆる非合法な部分を数多く持った団体や個人が多いといえます。

ですから、ほとんどすべての日本国民から唾棄され、嫌悪されているのです。

 

一般に、すべてではありませんが、特に中国周縁の諸民族(私は極力、少数民族という言葉を使用しないようにしています。なぜならその言葉は、多数民族が少数の民族を虐げ、弾圧するというイメージがあるからです。)は、日本へ来て数年が過ぎたとしても、日本の政治状況や諸政党の主義・主張や傾向、あるいは政党分布などをわからないでいます。

それでいて、さまざまな右翼団体や個人は、悪意を底に秘めて、“ウイグルを助けよう”などといいます。

私はこれまで数多く、そのような場に何度も遭遇してきました。

 

自分の国の独立や運動は、自分たちの努力と力で進めるべきことです。

かつて、1944年に「東トルキスタン共和国政府」が樹立されるであろうという寸前に崩壊した原因は、第二次世界大戦で戦勝国同士の闇取引で、ウイグルの人民が、それまで支援を受けてきたソ連から裏切られて崩壊・壊滅した教訓がありました。

国際的な世論の支援は求めても、武器やお金をもらっての独立運動は必ず失敗します。

 

我が国でも「日本ウイグル協会」などを応援している右翼団体があります。

ウイグル人の幹部たちの多くは、私の言うような事情や関係を知りません。

反共右翼は自分たちの活躍する場を、虎視眈々と狙っているのです。ウイグルのことなどはどうでもいいのです

 

実は恥ずかしながら、65年も前に亡くなった私の父親は、戦前は100人近くもの社員(子分ですね)を抱えていたヤクザの親分でした。

1970年頃、日活の映画で、渡哲也が主演した「暁の挑戦」という映画のモデルでもありました。

私の叔父(父の義兄)「中田峰四郎」は、戦前、張作霖とも親交のあった右翼の大立者でした(ウィキペディアで「鶴見騒擾事件」をひいてみると出てきます)。ですからそのような事情や関係や状況はよく理解できるのです。

| ウイグル情報 | 11:33 | comments(0) | - |
100万人のウイグル人やカザフ人たちを救って!

26歳のカザフ人学生、ボタ・クサインさんとその家族は、2013年に中国・新疆ウイグル自治区からカザフスタンへ移住し、そこで幸せに暮らしていました。ところが、2017年11月、父親が治療を受けるために同自治区へ戻ったきり、帰ってきませんでした。

 

3カ月後、「再教育のために」強制収容所へ送られたことを親族から聞かされました。父親の消息は、依然として不明です。

 

ボタさんの話は、めずらしいものではありません。

中国・新疆ウイグル自治区では現在、100万人にのぼる人々が、不当に拘束されているとみられています。その多くはイスラム教の信仰を持つウイグル人やカザフ人たちで、宗教・文化を大切にして暮らしている人たちです。

この拘束は、国家と中国共産党への政治的忠誠を強化させるために、信仰や文化的アイデンティティを捨てさせようとする中国政府の取り組みの一環です。

 

100万人にも及ぶウイグル人やカザフ人たちの不当な拘束をやめるよう、中国政府(駐日中国大使)に要請してください。

 

新疆ウイグル自治区では、治安強化の名の下に「脱過激化条例」が2017年3月に制定されました。それ以前から行われてきたウイグル人たちの収容などの弾圧は、この条例制定以降、さらに激しさを増し、ボタさんの父親のようにテロや過激派と無関係の人が、大量に拘束されています。

 

この条例は禁止事項として、「正常でないヒゲを蓄えること」「公共の場で全身を覆うニカブや頭を隠すヒジャブを着用すること」などを列挙しています。同条例のもと、「定時にお祈りすること」「イスラムやウイグル文化に関する書籍を所持すること」「飲酒を断ること」「国外へ留学すること」「国外と連絡を取ること」も、「過激派の徴候である」と見なされかねません。

 

ボタさんの親族も、疑われることを恐れて、連絡を絶ってしまいました。

条例は2018年10月に修正され、収容先として「職業技能教育研修センター」が設けられることになりました。同センターについて自治区人民政府主席は、「テロと宗教的過激派を育む環境と土壌を取り除くことを目的に、共通語(中国語)教育、法知識教育、そして職業訓練を無料で行っている」と説明し、上述のような大量拘束を正当化しようとしています。

 

しかし、同センターでは拷問や虐待が行われており、死者すら出ているという情報が、ひっきりなしに寄せられています。

| ウイグル情報 | 03:20 | comments(0) | - |
いま新疆シルクロードは地獄と化している!! ――あるウイグル人の慟哭――

【アメリカを読む】中国ウイグル族「再教育」に米国の関心急上昇 ウイグル団体、制裁の効果アピール

※引用の最後の部分です。

 

 中国・新疆ウイグル自治区で、多数のイスラム教徒の少数民族ウイグル族らが「再教育収容所」に入れられているとされる問題への関心が米国で急速に強まっている。トランプ政権は自治区トップへの制裁を検討中と報じられてきたが、米議会では超党派の上下両院議員がトランプ政権に対し、制裁実施を促す書簡を送り、米主要紙も再教育収容所を問題視する社説を掲げて、中国による人権侵害を非難した。

 

 「制裁で米国として中国が行っていることを座視しない意思を示せる。中国は全体主義的な行動を止めないかもしれないが、高官への制裁は最終的には効果をもたらすはずだ」

 ウイグルの合法的な独立を目指す東トルキスタン国家覚醒運動のサリー・フダヤール氏に制裁について尋ねると、国際社会からの圧力強化が長期的に効果が出ると強調した。

 

 フダヤール氏は8月30日の「強制失踪の被害者のための国際デー」に合わせて米首都ワシントンで開いた記者会見で、ウイグルでは「再教育」を名目に親と子供が引き離され、女性が強制労働に従事させられているとして国際社会の協力を訴えた。「少なくとも300万人」が拘束されたとも述べた。

 

 また、米国のNPO「ウイグル人権プロジェクト」のニコール・モーグレット氏は、イスラム教徒約1000万人以上の10人に1人に当たる100万人以上が拘束され、「拷問や虐待を受け、イスラム教を否定し、習近平国家主席や中国共産党をたたえるよう強制されている」と訴えた。

 

 フダヤール氏らは中国政府に圧力をかけるため、人権侵害に関わった外国政府高官に対して適用される「グローバル・マグニツキー法」に基づく制裁の実施を米政府や議会に働きかけている。第一の標的は習氏に忠実な陳全国・新疆ウイグル自治区党委書記だ。米メディアによると、陳氏は2016年に就任して以来、自治区のトップとして「再教育収容所」の整備や、ハイテク設備を使った住民監視システムの構築に当たったとされる。

 

 ルビオ(共和)、メネンデス(民主)両上院議員を含む超党派の上下両院議員17人は8月28日、ポンペオ国務長官とムニューシン財務長官に宛てて書簡を送り、グローバル・マグニツキー法に基づいて陳氏を含む共産党幹部や中国政府高官に対する制裁を実施するよう求めた。

 

 書簡は「自治区では人権上の危機が進行中であり、少数派のイスラム教徒が恣意(しい)的な拘束、拷問の対象となり、デジタル化された監視システムで日常生活は全面的に監視されている」と指摘し、米政府だけでなく国際社会として中国に対して強い姿勢で臨むよう訴えている。

 

 8月にスイス・ジュネーブで開かれた国連の人種差別撤廃委員会では、中国政府代表団が、100万人以上が再教育収容所に強制収容されているとの指摘は「完全な捏造だ」と否定した。2018.9.13 07:00

 

 主要紙は同月29日付の社説でその際に中国側が「軽微な罪を犯した者を職業技術教育就業訓練センターで学ばせている」と述べたと報じられたことを挙げ、「中国政府が初めて(収容所の)存在を認めた」とした。また、「習氏の下、迫害は毛沢東の文化大革命以来で最も極端なものになっている」と非難した。

 

 ペンス副大統領も「数百万人」のイスラム教徒が再教育収容所に入れられているとの見方を示しているが、陳氏らへの制裁は発表されていない。人権団体関係者は「米中の貿易戦争が激化する中、トランプ政権は戦略的にその時期を判断しようとしている」と語り、制裁の実施は時間の問題との認識を示した。(ワシントン 加納宏幸)

| ウイグル情報 | 06:02 | comments(0) | - |
いま新疆シルクロードは地獄と化している!! ――あるウイグル人の慟哭――

 

 「ウイグル人は優遇されている」逆差別との不満広がる

 

 この状況を中国共産党はどう解決しようとしているのか?その対策は「アメとムチ」で言い表せるだろう。
 
 まずは「ムチ」について。新疆ウイグル自治区当局は5
月23
日、1年間のテロ活動厳打(厳格な取り締まり)キャンペーンを開始。大量の警察力を動員しての大量摘発を行っている。ターゲットは原理主義勢力の関係者、ネットで抵抗を呼びかける動画を流したもの、かつてテロに関する軽微な犯罪を起こし悔い改めていない者だという。

 中国当局はETIMなど独立派、原理主義勢力が制作した扇動動画がネットや記憶媒体を通じて流通していると主張している。6月23日時点で32グループを摘発、380人を拘束したと発表されている。その多くは逮捕後間もなく有罪判決を出されるという異常事態だ。
 
 また中国国有英字メディアのグローバル・タイムズは「ベールをつけている女性は原理主義勢力の影響を受けている」と明言。他にもウイグル族の村書記が信仰を捨てなかったという理由で党籍を剥奪されるなどの厳罰が科されている。共産党員の信仰は禁じられているとはいえ、有名無実化しているのが現状。一罰百戒を狙った脅しと言える。
 
 一方で「アメ」も用意されている。5月28日、29日に北京市で開催された第2回中国共産党中央新疆工作座談会では大々的な支援が打ち出された。学費の無償化、企業の新疆ウイグル自治区への進出とウイグル人従業員の雇用奨励。貧困層や遊牧への給付金拡大。インフラ整備の拡充などが列挙された。

 

実現困難な中国のシナリオ

 

 警察力で当面の事件を押さえ込みつつ経済支援によって不満を解消、統治を安定させる。それが中国政府の描くシナリオだろうが実現は難しい。
 
 第一にウイグル人の不満の多くは中国全体の悩みだからだ。格差の拡大、権力者とつながりがすべてを決めるコネ社会、思想的な自由の抑圧。これは中国全土に共通している問題だ。新疆だけがその問題を解消することは不可能だろう。
 
 第二に漢民族による嫉妬という新たな問題も浮上している。まじめに働きもしないで文句ばかり言って多額の補助金をむしりとっている、優遇政策を受けられて不公平だ、警察も民族衝突を恐れてウイグル人を取り締まらない……。そうした不満が広がっている。庶民レベルだけではなく、中国政府のブレーンや官僚の間でも少数民族の優遇や独自の文化の保護を廃止する第二世代民族政策の導入を唱える声があがっている。
 
 一時的な封じ込めはできたとしても、武断的な対応がさらなる不満を呼び、より大きな爆発へとつながる。こうした悲観的なシナリオが現実になる可能性のほうが大きいだろう。
 
 アメリカの後を追って「テロとの戦い」を宣言した中国政府。当時、敵となるテロリストが本当に存在したのかは疑問だったが、その後の武断的な支配によって実際に敵を作り上げてしまったかのように見える。こうなってしまってはもはや特効薬はなく、どれほど困難であっても個人の権利が守られ民族文化が尊重される真っ当な社会作りにチャレンジするしか解決策はないだろう。

 「内なる敵」を作り出してしまった中国の失敗、それは日本にとっても無関係ではない。民族、階層、地域……人々を分断する境界線が強化され「内なる敵」という認識が広まれば、対立を解消することはきわめて困難だ。外国人労働者の受け入れ、雇用の流動化、地方の疲弊など時代の転換期にある日本にも落とし穴は用意されている。隣国が犯した失敗を繰り返さない智慧が私たちには求められている。

| ウイグル情報 | 04:04 | comments(0) | - |
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