シルクロード日誌

日本シルクロード文化センターのブログページです。シルクロードに関する情報、コメント、旅日記などを綴ります。
ドレスの裾が長すぎる! 中国で警察が少数民族の女性の服を切って回る

きょうはインターネットのニュースで発見した、新疆ウイグルの問題です。

ともかく、ご覧ください。  野口

 

 

7/21(土) 20:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

 

 

新疆ウイグル自治区カシュガルにある、中国最大のモスク「エイティガール」

中国の新疆ウイグル自治区で、ウイグル族の女性が丈の長いトップスやドレスの裾を警察に切られたという。新疆ウイグル自治区では、警察がウイグル族を厳しく監視している。

宗教的な過激思想を取り締まるため、当局はイスラム教を信仰するウイグル族のいかなる宗教的表現をもその取り締まり対象としている。

女性はロングスカートやブルカを身に付けることを禁じられ、住民はラマダン(注:イスラム教徒の5
つの義務の1
つ。約1カ月間、日中の飲食を断ち、神の恵みに感謝する)の断食を禁止されている。一方で、数十万人のウイグル族――100万人と言われることもある――が、ひげを伸ばしているとか、海外の家族と電話をしたとか、場合によっては何の理由もなく、裁判抜きで「再教育施設」に送られている。

そして今、ソーシャルメディアに投稿された写真は、警察が女性たちを呼び止め、彼女たちのロングスカートやドレスの裾を街中で切る様子を捉えたようだ。一部の女性はこうした服装を宗教的な理由というより、着心地の良さで選んでいるだけにもかかわらず、だ。女性の1人はヘルメットをかぶったままで、どうやらスクーターに乗っている途中で警察に止められたようだ。

参照:DOAM(Twitterの投稿より)
https://twitter.com/doamuslims/status/1017691347615145985/photo/1

“強制的な同化:東トルキスタン(注:新疆ウイグル自治区のこと)で、中国当局はウイグル族のムスリム女性のドレスの裾が長すぎると言って切っている。”

ハサミを使っている全員が地元警察ではなさそうだが、彼らは皆、丈の長いドレスを腰あたりで切ろうとしているようだ。

世界ウイグル会議の広報担当ディルクサット・ラクシット(Dilxat Raxit)氏はラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材に、これは「ウイグル族の女性に対する攻撃だ」と語っている。

「世界のどこに、腰よりも長い女性のドレスを切って回る政府があるでしょう。まったくもってばかげている」ラクシット氏は言う。

「国際社会はこんな方法でウイグル族の女性を侮辱する中国を許してはならない」

新疆ウイグル自治区では、ウイグル族は男女にかかわらず厳しい監視下に置かれている。

当局は、住民の携帯電話に監視アプリをインストールし、12歳〜65歳の住民全員のDNAサンプルや指紋、虹彩スキャン、血液型の情報を集め始めた。また、当局は音声サンプルも収集していて、盗聴した電話の相手を特定するのに使用される可能性がある。

さらに、この地域ではウイグル族の活動を追跡、阻止するため、4万台の顔認証カメラも導入されていて、AFP通信は最近、新疆ウイグル自治区のある県では、967のモスクに監視カメラが設置され、イマームが政府の台本に沿った指導を行っているかどうか、当局がチェックしていると報じた。

[原文:Police are reportedly cutting too-long dresses off ethnic minority women in the middle of streets in China]

(翻訳、編集:山口佳美)

| ウイグル情報 | 03:00 | comments(0) | - |
この世に地獄はあるのか! ―シルクロードは平和でこそ発展するべきです―

 少し書いただけでも、このように枚挙にいとまがありません。ここで少し詳しく、ラビア・カーディルさんの講演会で配布された資料の内容をご紹介しましょう。

 

 ウイグル人の民族的アイデンティティは現在、中国政府の民族抑圧政策によって脅かされています。ウイグル語の使用制限、信仰への厳しい規制、「新疆ウイグル自治区」(民族運動にかかわっているウイグル人は、この新疆ウイグル自治区という言い方を認めていないので「 」をつけている)への中国人の大量移民などにより、ウイグル人の伝統・習慣は破壊され、雇用の差別も極めて深刻です。中国政府による厳打(弾圧)政策の結果、自らの権利を平和的に行使しただけで数万名のウイグル人が、「反テロリスト、民族分裂主義者、宗教的過激主義者」というレッテルを張られ、逮捕・拘束されています。

 

 民族の文化・歴史・宗教・言語などが消されようとしています

民族の伝統的な文化は破壊され、民族の歴史や文化に関する出版活動などが制限されています。学校教育は中国語で行われ、ウイグル語の追放が進行中です。ウイグル南部の都市部の生徒や教師らは、「校内でウイグル語を一言でも話せば罰せられるだろう」と報告しています。

 

 国連子どもの権利委員会は、「初等・中等教育レベルで使用するすべての教育・学習教材が、少数民族の言語を使用し、かつ文化的配慮がなされているものを使用できるよう保証すべきであると考える」と、中国政府に要請しました。

 

 急用が入り、今日はここまでです。

| ウイグル情報 | 10:22 | comments(0) | - |
この世に地獄はあるのか! ―シルクロードは平和でこそ発展するべきです―

もう10数年前になるでしょうか、カシュガルの街を一人で歩いていたとき、あるホテルの入口に、風に吹かれてちぎれそうになっている「通知書」が張られていました。

よく覚えていませんが、「少数民族が3人以上で集まるときは当局の許可を得ること」ということがメインでした。要するに“少数民族は悪いことをするから、無断で集まってはいけない”ということです。

その後、世界中にニュースが流れました。「ウイグル人のテロ分子10数人が集合して警察署への襲撃を企んでいた」と。

 

この実際の話は、ウイグル人の息子だか娘だかの結婚式の打ち合わせで、両家の男たちが相談をしていたところを、同じウイグル人が安全局に密告の通報をしたということです。「10人くらいが集まってテロの準備をしている」と。駆けつけた軍警によってほとんどのウイグル人が殺害されました。

恐ろしいことに安全局は、「ウイグル人が同じウイグル人のテロの陰謀を当局に密告すれば多額の報奨金を与える」としているからです。

 

もっと恐ろしいことには、「ウイグル人の3分の1は安全局)スパイ」だという説があります。信じたくはありませんが、かなり信ぴょう性のある話です。

 

スパイに志願すると、自分の給料と同じ金額を安全局からもらえるという「話」も聞きました。いや、私は遠慮して「話」としていますが、事実です。中国の国家予算のうちの国防費よりも安全局の予算のほうが多いということが何よりの証拠でしょう。

 

さらに、家族のうちで子弟を外国に出している家族は当局に届けなければならないし、その家族のパスポートはすべて提出させられています。没収です。海外に出ている留学生たちも、帰省すると海外での言動がすべて把握されていて、お咎めがあるととんでもないことになります。その内容はあとで詳しく書きます。

これは私の撮影した最高傑作なのですが、原版がなくなりました。

メシュレプを演奏するメキトのおじいさんたちです。

もうこのうちのかなりの方がこの世を去りました。

 

以前は日本にいる留学生や働いている人たちは、比較的自由に故郷との往復ができました。しかし、今では帰郷しても、どのような理由で拘束されるかわかりません。「拘束」ということは昔でいう「労働改造所」とか「強制収容所」でしょう。そこでは裁判なしで殺されても、理由も聞かされないし、何の話もありません。チベットでは銃殺された遺族に対して、当局は銃殺に使用した「弾丸」の料金を請求しているのです。

 

今ではウイグル人が党や政府の役職についていても、次々と解任・解雇されています。そしてかつての言行に不審な点があれば終わりです。

 

ここまで書いてきて、私はこのブログを書くのがつらくなりました。隣の国で、しかも私が、そして多くの日本人が親しみを感じている中国の政府と党が、このような仕打ちを少数民族に加えているということを信じたくはありません。

 

今私が書いているブログでも、中国当局はしっかりと把握していることでしょう。ウイグル人がどこかの国に帰化しても帰省すればおかまいなしに逮捕しています。外国人の私が行けば、「スパイ」などの理由をつけることができます。

| ウイグル情報 | 03:28 | comments(0) | - |
この世に地獄はあるのか! ―シルクロードは平和でこそ発展するべきです―

“ウイグルはいま、地獄です”。この言葉は、海外在住のあるウイグル人の表現です。

 “そうだろうな”とは思っていても、どれほどのものかを知りたかったのですが、ちょうど15回目の来日だというウイグル人の指導者ラビア・カーディルさんの講演会がありました。

ラビア・カーディルさん

 

 その前に一言付け加えておくことがあります。

 数年前、研究者のある方が、彼女の講演会でお話をしてほしいと依頼されました。周りの研究者仲間は、それに参加すればどんな結末になるか知っているから必死で止めました。そして熟考した彼はやめました。

 それは、それらの活動を、中国大使館をはじめ日本の各地で中国の権力機関が、ウイグルやチベットの運動を「監視」しているということを意味しています。

 

 ですから、それらの活動に協力あるいは参加するとなると(とくに中国との関係の深いシルクロード関係の研究者にとっては)、もう中国には入れなくなるという致命的なことが起こります。

中国の地図と赤い地域が新疆ウイグル

 

 私の友人も数年前に来日した際、ラビア・カーディルさんの講演会で話をしてくれと言われて、前向きになっていました。彼女も「私の日本滞在中にお世話になった方からのお願いですので・・・」と。私も彼女の友人たちもそれを止めました。ラビア・カーディルさんの講演会をセットし、各地の講演会に付き添ったある大学講師の女性は、そのことが原因で北京空港で入国禁止措置となりました。

 

 ことほど左様に、この件はシビアな“危険をはらんでいる”ことなのです。

 そのラビア・カーディルさんの講演会が先日開かれました。

 私は、今度はちゅうちょなく参加しました。ある覚悟をもって。

 

 海外在住の人はもちろんですが、日本在住の外国人も、日本の政治、その潮流や左右の対立などを知るすべはありません。

 率直に言って、ラビア・カーディルさんの講演会はまじめなウイグル人のほかには、日本人ではほとんどが右翼関係の人たちの活躍の場になっています。

 

 もっと率直に言いますと、彼ら日本人は「右翼」という政治的な立場から「中共を倒せ!」という一念に凝り固まっています。あるいはそのような人物の影響を受けている方がたが大勢を占めています。中国が「共産主義で左だ」と思っている方は、「反共右翼」だということになります。

 

 思想信仰の自由ですから、誰が何を支持していようと構わないのですが、外国の独立や民族運動などを、外国人が直接手を出すことは、「国際主義」から逸脱した「外国干渉」となる時代です。

 長くなるので、続きは明日にしましょう。

 

| ウイグル情報 | 07:20 | comments(0) | - |
朝日デジタル版より転載
(@上海)進む情報統制 成立から60年の新疆ウイグル自治区

 きょうは、朝日新聞デジタル版から12月4日付けの上海支局長。金順姫氏のリポートを転載します―野口。

中国・新疆ウイグル自治区のウルムチで10月1日、自治区成立60年を記念する式典があり、民族衣装に身を包んだ人々が集まった=AP

この部分には写真が掲載されていましたが、私の技量では掲載できませんでした。

特派員リポート 金順姫(上海支局長)

 中国の新疆ウイグル自治区は今年10月1日、成立から60年を迎えた。中国西部に位置し、中央アジア諸国と国境を接する地域で、イスラム教を信仰するトルコ系のウイグル族が多く住んでいる。清朝に征服されたあと1930〜40年代には独立が宣言されたが、49年の新中国成立を経て、55年に自治区が設けられた。その後、漢族の大量移住が進んでいる。 私は上海に赴任後、一昨年、昨年と、たびたび新疆ウイグル自治区に赴いた。多数の死傷者を伴う暴力事件が続き、そのつど急いで現場に向かった。事件の端緒を自治区政府系ニュースサイト「天山網」などでつかむことも少なくなかった。

 自治区の成立から60年を迎えた今年、一つの変化を感じている。暴力事件について得られる情報が大幅に減った。中国当局は事件が起きたこと自体を外部に知ら せたくないのだと感じる局面が増えた。もともと多くない報道の量をしぼるだけでなく、ネット上に情報を流出させないよう、情報統制を従来よりさらに厳しく している様子もうかがえる。

 新疆をはじめ中国各地では近年、少数民族のウイグル族が関わったとされる暴力事件が相次いできた。背景には、中国当局の抑圧的な少数民族政策や、漢族とウイグル族の対立感情があると指摘される。自治区の政治や経済の主導権は漢族が握り、イスラム教の信仰で自由な宗教活動が認められないとの不満もウイグル族側に鬱積(うっせき)している。

 当局には、容疑者がウイグル族であることに焦点が当たるのは避けたい思惑があるとみられる。深刻化する少数民族問題に国際社会の注目が集まるのは、当局にとって望ましくないからだ。事件発生や容疑者検挙を宣伝するほど、そうした事態に陥ってしまうとのジレンマを抱えているのだろう。

 当局は情報統制のかたわら、自治区の共産党員、党幹部への引き締めを強めているようだ。
 自治区の共産党規律検査委員会は11月1日、自治区党委員会の機関紙・新疆日報の元編集長の党籍を剝奪(はくだつ)すると発表した。新疆政策について、党中央の方針に反対する言論を公表したことなどが問題視された。
 また、11月24日付の中国紙によると、自治区の共産党規律検査委員会トップは、一部の幹部が「民族分裂反対、民族団結の維持、祖国統一の重大な問題で態度が揺れ動いているばかりか、暴力テロ活動を支持、参加している者までいる」と非難したという。
 情報を表に出さず、内部を引き締める。中国当局が腐心するのはそれだけではない。あえて情報を出すことで、対外的に自国の立場をアピールすることもある。

 自治区党委員会の機関紙・新疆日報は11月20日、9月18日に新疆ウイグル自治区ア クス地区バイ県で炭鉱襲撃事件が起きたと伝えた。約50人が死亡したなどとして先行する海外の報道に当局は沈黙を続けていたが、「11月12日までに容疑者28人を射殺した」と政府系メディアが報じ、襲撃事件が起きていたことを認めたのだ。犠牲者は警察関係者を含む16人で、容疑者らは国外の過激派組織か ら指示を受けていたとした。

 海外メディアが報じていても当局が発表しない事件はほかにもあるのに、なぜこの炭鉱襲撃事件を明らかにしたのか。パリの同時多発テロ事件を受けて国際的に「反テロ」の機運が高まるなか、新疆で続く事件とそれを抑え込もうとする中国当局の動きをその流れの中に位置づける狙いがあるのではないか。こうした見方が出ている。

 中国当局はこれまで起きた一連の事件を「テロ」と位置づけ、「東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)」などのウイグル独立派が関与していると強調してきた。自治区の区都ウルムチで10月1日に開かれた成立60年の記念式典では、共産党最高指導部で新疆問題を担当する兪正声(ユイチョンション)・全国政治協商会議主席が「テロ活動に容赦なく打撃を与えることを、当面の闘争の重点としなければならない」と演説した。

 中国の王毅外相は11月15日、トルコで主要20カ国・地域(G20)外相による昼食会に出席し、パリの同時多発テロを強く非難した。そして、中国もテロの被害者であり、ETIMなどの取り締まりも国際社会の反テロの戦いの一部であると述べている。
 ウイグル族をめぐっては近年、中国南部の雲南省広西チワン族自治区などから不法に国境を越え、東南アジアへと逃れる動きが表面化している。中国の治安当局は、不法出国したウイグル族が東南アジアやトルコを経由して「イスラム国」(IS)などの過激派組織に合流し、訓練を受けたあと中国に戻ってテロを起こすことを警戒している。

 一方で、事件の容疑者らが国外の過激派組織と関係を深めているという当局の見解はウイグル族への締め付けを正当化するための口実であり、ウイグル族の不法出国は「抑圧から逃れるため」だとする見方は根強い。ウイグル独立派の活動実態やこれまでの事件との関連には不明な点が多い。

 習近平(シーチンピン)指導部は自治区成立60年にあたって、「各民族の生活水準は大幅に向上し、衣食住の環境も大きく改善した」として、経済発展などを輝かしい成果と誇ってみせた。だが、新疆はいま、暴力事件が頻発する重苦しさと混迷の中で、輝かしさとは遠い状況にある。
     ◇
 金順姫(きむ・すに) 上海支局長。1999年入社。広島支局、京都支局、西部報道センター(福岡)、中国留学などを経て2012年10月から現職。39歳。ツイッターアカウントは@kim_soonhi


※私(野口)は、これまで日々のウイグル民族の動向に関連する日誌を書き続けていましたが、書ききれないほどのニュースがあふれていた時期がありました。それは「ウイグル民族の暴行がいかにひどいものか」というものばかり。
それが、このところトンと音沙汰がなくなっていました。やはり、私の思惑通りのコトの推移があったのですね。
 しかし、この金支局長のリポートは、上海在任中ということもあって、かなり抑制された書き方をしています。実際は、もっと率直に書きたかったのでしょうが、上層部の政治的判断などで抑制されたものと思えます。私自身への情報提供も極端に減っています。なおかつ、両極端に傾いてきています。
“両極端に”です。
 
| ウイグル情報 | 05:19 | comments(0) | - |
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