シルクロード日誌

日本シルクロード文化センターのブログページです。シルクロードに関する情報、コメント、旅日記などを綴ります。
いま新疆シルクロードは地獄と化している!! ――あるウイグル人の慟哭――

下記の文章は、私たちがいつもガイドをお願いしているガイドが所属しているウルムチの旅行会社からのメールです。なぜか、親友の彼からのメッセージはなかった。私たちをいつもガイドしてくれるガイドNからは、昨年末に緊急電話があって以来、行方がしれません。おそらく再教育センターに拘束されているのだと思います。彼が日本に1年間ほど来たときは拙宅にステイしました。それほど私とは親密だったのです。

今日の写真もイメージ写真です。

今後はウイグル人の友人の顔の写った写真は使えないですね。

この写真は、ウイグルの地では、どこでも見られる絵です。

ウイグル人は踊りが好き、歌が好き。

この絵が今でもみられるのか、心配だ。

 

 

このメールを送ってきた漢人の人物を、私は誰だか推測できます。

 

いつだったか私がウルムチのホテルに投宿したとき、たまたま彼が宿泊の手続きをしてくれたのですが、翌朝の朝食券が1枚余りました。彼はそれを持って帰って、翌朝はおしゃれをした奥さんとその友人2〜3人を連れてきて食事をしていたことを覚えています。

この写真は12月のホータン郊外の小さな集落のバザールの光景です。

いま、ウイグル人の「ロバ車」はホータンやカシュガルなどの都市へ入ることはできません。

交通の障害になるからということです。

すべてが開発優先、漢人優先です。

 

 

その彼(たぶん)からの会社からのメールです。

 

野口さんへ

久しぶりです、お元気ですか? 

お陰様でいま現在、私たちも元気です。

 

このメールアドレスは事務所共通用のもので、何かありましたらこのメールに送ってください。今まで使ってきた個人用のメールは使えないことになっています。

 

それから、携帯電話も国際電話は受けられないので、事務所の固定電話にかけてください。

事務所の電話:+86-991-2325○○○   ○○○○○○  

よろしく お願いします。

 

最近は観光客があんまりないので、仕事も少ないです。

野口さんは今年はどこへ行く予定ですか。

では、とれあえず 連絡まで

2018.4.12

この写真も12月のウルムチ中心部の夜店です。

どんなに寒くても、かれらは夜店が好きです。私もですが・・・

 

 

電話もメールも個人のものは使えないことになっています。

中国憲法で言う「通信の自由」が、ここでは平気で破られています。

このように、いま、新疆ウイグルとチベットは先進国であるのに、法律がないがごとくの無法地帯になっているのが現状です。

今の新疆ウイグル自治区の党委員会の書記(最高責任者)はチベット自治区から移転になった人物です。

 

私の友人の妹の夫の父親は、かつて新疆ウイグル自治区人民代表大会の、日本で言えば官房長官のような人物だったのですが、その人も今はどうなっているのか、皆目わかりません。

いったい、この事態はどういうことなのでしょう・・・・・・

| シルクロードの光と影 | 08:56 | comments(0) | - |
いま新疆シルクロードは地獄と化している!! ――あるウイグル人の慟哭――

次は、私の長年の研究仲間で、いま、北欧スウェーデンの首都ストックホルムに住んでいるウイグル人の友人から、血を吐くようなメールが来ています。それを紹介しながら私のコメントを入れます。太字の車線の文字が彼女のメール内容です。

 

大変ご無沙汰していました。申し訳ありません。

お元気でいらっしゃいますか。

奥さんもお元気でご活躍されていらっしゃるでしょう。

おかげさまで、私たちも元気に生きています。

大きな変わりはありません。

※今日の写真もすべてイメージ写真です。

 

ここはカシュガルのエイティガル寺院の近く。ラマダンの時期の夕食の時間です。

みんな日暮れを待っています。私があいさつすると「寄っていきなよ」と声をかけてくれます。

 

 

残念ながら、妹はまだまだそのキャンプにいます。

筆者註 )紊気鵑郎G2月にウルムチからのツアーでトルコに行ったとのことで。日本の私たちの普通の海外ツアーと何ら変わらない旅行に行ったことがとがめられて、帰国した空港からそのまま「再教育センター」のようなキャンプに拘留されて、現在もまだキャンプにいるとのことです。

 

母は、3ヶ月間共産党の政治勉強に通ったようです。

筆者註◆”卒がちで間もなく80歳になるお母さんは、10年ほど前、日本に在住していた娘と孫に会うために日本へ来たことのある方です。“海外へ行ったことのある者は再教育だ”という主旨であったならなんという時代錯誤でしょうか。そのどこがいけないのでしょうか?

お母さんはかつて文化大革命の時に、ブドウ園を経営していただけの理由て、「地主」だと批判されて、三角帽子をかぶせられて、市中引きまわしにあったそうです。

 

家族とはまだまだ連絡を取ることができず、悲しい毎日です。

ただ、北京のある大学にいる私の漢人の友人をとおして情報を得ています。

このような事情はいつまで続くのかはわかりません。

いま、ウイグル人は、歴史の中で一番残酷な日々に当たっています。

カシュガルのレストランの娘さん、20歳だといってました。

後ろにはちゃんと母親がついています。

 

 

ところで、野口さんはお元気でご活躍され、海外流行はされていませんでしたか?

息子の奥さんが軽い「産後うつ病」になり、この3ヶ月間、孫の面倒をみました。

あかちゃんはもう5ヶ月となりました。

ご家族の皆さんにどうぞよろしくお願いします。

ではお元気で

○ ○ ○ より

 

カシュガルからパキスタンへ向かう「カラコルム・ハイウエイ」。

以前は少し雨が降ると通行止めになっていました。

 

| シルクロードの光と影 | 03:09 | comments(0) | - |
いま新疆シルクロードは地獄と化している!! ――あるウイグル人の慟哭――

消息不明になっているあるウイグル人の家族のもとへ、当局からの請求書が届きました。その請求内容は、驚くべきことに、拘束していた人を銃殺するために使った銃弾の代金と殺害された人の遺体を家族のもとへ送り届ける「棺桶」の代金だといいます。

いま、新疆やチベットの地では、公開裁判のない“裁判”がひそかに行われていて、そのようなことが起きています。

 

さらに衝撃だったことは今年の1月、南新疆の街カシュガルの空港である日本人旅行客が、次のような掲示が張られているのを見たそうです。

 

中国の空港では、一般旅客の通路とは別に、政府や軍の幹部のために特別に早く通すための通路があるのですが、そこに次の言葉が付け加わっていました。「人体器官運輸通道」。

これはいま中国で「全民検診」ということが勧められているのですが、要するに“人体の腎臓や肝臓などを急いで通すので道を開けておきなさい”という掲示です。

 

その「人体器官」が、最近になって急速に増えているそうです。その結果、1900万人の生体バンクが完成し、その対象者は、ウイグル人・チベット人や独立志向の人びと、少数民族あるいは気功集団・法輪功・キリスト教少数派などです。当然、それらの人はすでに殺害されているわけです。

 

さらにこれらのドナー登録で巨大な利益を得るものが続出しています。

それらの為に、この「特殊旅客・人体器官運輸通道」が、当局は当たり前のこととして、良心の呵責も痛痒も感じないで掲示したものと思えます。

国際的な団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」も、このことについてはかなりの労力を使って活動しているとのことです。

私がなぜこの写真を使うのかは不明ですが、要するに記事と関係のない写真を使用しているからです。

きのうまでの写真も同じ理由です。

ここは新疆の首都ウルムチのロシア風ホテルのレストランです。

 

国際的な批判が高まっている一連の出来事に関して、中国政府は「内政干渉だ」と反論していますが、すでに「人権批判は内政干渉ではない」ことは国際的な常識になっていることを中国政府は知らないのか、あるいは無視しているかのどちらかでしょう。

 

次の文章は、先日、ネットに出ていた私も知らない人の訴えです。

文章と内容は極めて穏便で、彼あるいは彼女の安全に配慮したものになっています。

敦煌・莫高窟

 

消息を絶ったウイグル人学生を救って!

 

マレーシア工科大学で学んでいたグリゲイナ・タシマイマイティさんの消息が、故郷の中国・新疆ウイグル自治区に戻った昨年12月26日以来、分からなくなっています。

グリゲイナさんの家族や友人は、政治的再教育のための施設に拘禁され、拷問や虐待の危険にさらされているのではないか、と懸念しています。

 

現在、新疆ウイグル自治区当局は、ウイグル族などイスラム教徒の少数民族に対して強硬な取り締まりを行っており、宗教家や海外につながりがある人たちが狙われています。そんな状況を心配した友人や家族は帰国を止めようとしましたが、グリゲイナさんは連絡が取れなくなった両親のことが心配だからと、反対を押し切って帰省しました。

 

グリゲイナさんはマレーシアを発つ前に、無事の合図としてウィーチャット(微信・中国のソーシャルメディア)のプロフィール写真を毎週変えると友人と約束していました。帰国後、写真が差し変わったのは1度だけで、数週間後には陰鬱なモノクロ写真に変わりました。刑務所にいるように見えるものでした。

同じ敦煌・莫高窟です。

 

 

拘束されているグリゲイナさんを今すぐ釈放するよう、中国当局に要請してください!

 

ウイグル自治区では弾圧の対象になった人たちが「反過激主義センター」「政治学習センター」「教育と転換センター」などと呼ばれる再教育施設に、不当に拘束され、中国の法律や政策を学ばされます。報道によれば、自治区政府は留学中のウイグル人全員に帰国を命じる方針を打ち出し、帰国した学生たちを懲役刑にしているとのことです。

 

 

| シルクロードの光と影 | 07:01 | comments(0) | - |
シルクロードの天国と地獄

 きのう、南新疆から家族もろとも外国で生活をしている友人からメールが来ました。

 

 高齢で病気が長く続いている母親と6カ月間も連絡が取れず、やっとある方法で連絡が取れたといいます。

 77歳になる母親を介護していた妹が、「トルコへ旅行に行った」という理由だけで「再教育センター」へ6か月間、拘留・収容されていたとのこと。

 

 先日、池袋でラビア・カーディルさんの講演を聞いた時には、再教育センターでは数十パーセントの割合で“行方不明”=生涯、家族のもとへ帰れなくなる人=がいるといいます。

 銃殺されると、銃殺に使った弾薬の代金を遺族が要求されるとのこと。

 もちろん、棺の料金もです。

 

 その妹さんが収容所=刑務所から生還してきて分かったことだといいます。

 その国は、憲法に「基本的人権」も「旅行の自由」もちゃんと書いてあるのに、です。

 

 南疆の観光地に住んでいたその友人には、ウイグル人であっても職場がかなりの「高官」の弟たちがいます。彼らは“土曜日も日曜日もなく働かされて、地獄のような生活”を送っているといいます。

“地獄のような生活・・・”とは、私や私たちには想像もできません。

 

 もう彼らと私が会うことはできません。

 かれらが私たちのような外国人と会うということ自体が“スパイ行為”とみなされるからです。

 

 なぜ、このようなことになるのでしょうか?

 と、こんなことをブログに書いていると、今年のその地への私の旅行も空港でストップ=入国禁止されるのでしょうか。そんなことは許されません。

 

 

 そして、その友人には2か月前、孫が生まれたとのこと。写真が送られてきましたが、わたしの孫の「次」くらいにかわいい赤ちゃんです。

 これはこれで、もう一つの友人の“天国”でしょう。しかし、その喜びのなかでも、言い尽くせない悲しみと怒りがあります。

 

 私も負けずに孫の写真を送りました。でもその孫も、7月で8歳。9歳かな?

 

 今では、生意気なことを言って、おじいちゃんなど気にもとめません。

 それでも私はせっせと、次に会える時に向けて、かわいいプレゼントを買い続けています。おせじだけの「おじいちゃん、ありがとう」の言葉を期待して。

 

 わたしたちのこのような、小さな幸せさえ許されないということは、どういうことでしょう。世界でも最も裕福な大国を自負して、「新シルクロード経済圏構想」だとか「一帯一路」といいながらのこの所業をなんと説明するのでしょうか。

 

 

※今日はそのような事情ですから、写真はありません。

| シルクロードの光と影 | 06:16 | comments(0) | - |
新疆シルクロードを平和と友好の道へ

     まわり道だけど、大事なこと

 

 現在の日本では、ウイグル問題において避けられない重大な課題があります。主として日本人の側の問題です。

 それは、かつて軍部が武力で政府首脳を暗殺して大陸侵略への道筋をつくっていった戦前の右翼・民族主義者たちの系譜線上にある現在の日本会議をはじめとする右翼や右翼暴力団あるいはその思想に共鳴するさまざまな人びとが、以前からウイグル、チベットやモンゴルとの友好を願っていた人たちと融合し「ウイグルやチベットに人権復活を!」と主張して在日ウイグル人、チベット人やモンゴル人を組織しようとしていることです。

 

 彼らの活動の目的は、日本において、中国に反対してウイグルとチベットの独立をめざす組織をつくること、日本人を主体とした友好関連団体を組織しようとしている活動があります。

 

 率直に言って私にもそれらの活動へのお誘いがありました。しかし私ははっきりと断ります。「私はウイグルの問題は理解できるが、具体的な協力はできない。なぜなら、日本人がウイグルの独立運動を行うことは内政干渉であるし正しくないからである。大切なことは、ウイグルの人びとが独立したいという要求があるのであれば、自らの努力で切り拓くこと、その目標について中国人(漢民族)や日本人や国際世論の支持を適切に得る必要があること。平和と民主主義、独立と人権そして非暴力は不離一体であり、国際的な支援が必要である」との考えがあるからです。

 

 お誘いを断るもうひとつの理由があります。それは日本とウイグルの友好をめざす団体の一部幹部が、右翼暴力団と密接なつながりを持っていることです。

 08年の夏、ウイグル人と日本人とが、中国当局によるウイグルへの弾圧に反対して集会とデモを行った際、“暑いから”とエアコンの利いた”黒い高級車から冷たい水や氷などを提供した者”が有名な右翼暴力団体の活動家たちだったからです。ウイグル、チベットの独立運動を日本の右翼団体が牛耳ろうとしているのです。かつての“「大東亜共栄圏」の夢よ再び”という侵略志向の徒党の企みです。これでは運動の正しい発展はありません。

 

 日本人がどのような志向の団体に加わるか活動するかは自由ですが、民主主義を根本から否定し、反共と暴力を主体とする団体が、外国人の活動をサポートすることは許されません。それはとりもなおさず、在日の彼らの夢と運動を破壊することにもなるのです。これでは日本の広範な国民のなかの階層や団体・政党が影響力を正しく発揮することが不可能だといえます。

 

 ここでいう「反共」とは、共産主義に反対するという意味や社会主義の中国に反対するというせまい見方ではなく、民主主義や人権を無視して、大陸への侵略志向を忘れられない勢力として、国民の民主主義的で友好的な発展を願う人びとを露骨に敵視して、暴力で敵対しようとするものたちのことを指します。ヘイトスピーチの流れをくむ勢力ですね。

 

 さらにいえば、私はそれらの運動は、必ず、非暴力でなければならないとも考えています。たとえば、中国人民解放軍百万の軍隊に対して、十人か数十人がテロという手段によって爆弾を仕掛け、あるいはナイフやピストルで立ち向かっても何の展望も見出せないからです。

 

 現在の中国では、無届の(届けても許可されないでしょうが)集会やデモなどは、たちまちにして武装警察に弾圧され、抗議・抵抗でもすれば多くの人びとが逮捕され殺されてしまうのが現状です。集会・出版や言論・表現の自由などは、欧米をはじめ先進諸国や途上国の人びとが、数百年にわたる長い困難な戦いと運動を経て獲得した共通の権利です。まず、これらの市民的権利を獲得することから運動は始まるのだろうと思います。

 

 まして、中国の現状では、少数民族の多くが敵視している漢族自身にも、まともな民主主義と人権と法制が保障されていません。長い目で見れば、それはウイグル人などの少数民族と漢人の共通する目標でもあるのだといえます。ウイグル人にとって、漢民族の支持を得るなど、現在では考えられないことでしょうが、大きな目標を達成するには、それくらいの困難を克服する覚悟と確信と度量がなければ成就できないこともまた理の当然です。

 

 ウイグルの現状と事実は、おそらくほとんどの日本人の皆さんの知らないことです。また、私の考え方も在日のウイグルの人たちには、なかなか理解できないことだろうし賛成できないだろうとは思いますが、この考え方こそが正しい国際友好活動の基本だと確信しています。非暴力こそが大きな力を得るのです。

 

 おわりに

 シルクロードは余りにも広大無辺です。従来の、“シルクロードは長安からローマまで”という既成の狭量な概念から、その向ける眼(まなざし)を、人類文明の往来があった地球すべてに向けるならば、シルクロード興亡の歴史、文明往来の歴史とともに、侵略と戦争、平和と友好の実相がくっきりと浮かび上がってくるのではないでしょうか。

 

 すでに「戦争と侵略の道であったシルクロード」を「平和のシルクロード」に転換させる21世紀になっているのです。そうであってこそ、悠久の歴史とロマンと憧憬とを併せ持つシルクロードが、その内実を、平和と友好というリアルなロマンに転換させてくれると確信しています。

 

 シルクロードはその意味を超えた人類文明のネットワークであり、人類が永遠に探求すべき平和の道でもあります。ロマンだけではない、シルクロードの“リアルなロマン”を世界のすべての人びとが享受できるためにも、このすばらしきシルクロードを、そして、このすばらしき地球を、人類文明の平和と発展とともに永遠に残していきたいと思っています。

 

 

きょうもイメージ写真です

ウイグル民族を象徴する絵画です

ウイグルの娘さんは踊りが好き(我が息子殿の作品です)

北新疆の草原にカザフの家族の朝が来た。

タクラマカン砂漠横断道路

カシュガルの小学校で。今はウイグル語が禁止されています。

この子たちの未来に誇りと自由と人権を

ウイグルの地で最大のエイティガル・モスク(カシュガル)。

最近ではこの広場が、特警の休憩所や駐車場になっています

| シルクロードの光と影 | 10:38 | comments(0) | - |
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