シルクロード日誌

日本シルクロード文化センターのブログページです。シルクロードに関する情報、コメント、旅日記などを綴ります。
のどかな散歩で見たもの

きのうの朝、ワイフに誘われて多摩川へウオーキングに出かけました。

私があまりにも体を動かさないので、外へ出るように毎日言われています。

自転車で多摩川まで行き(歩くと30〜40分かかります)、土手に上がると真っ白な富士山がくっきりと見えました。

いつもはカスミがかかっていてよく見えないのですが、朝は空気が澄んでいて、これまでになくはっきりと見えました。見たこともないような美しさです。

 

正面の小さな樹々は、通称「五本松」といい、散歩やお花見などでいつもにぎわいます。

近くの日活や東映などがいつもロケなどをしています。

昔は、都心の金持ちがここらあたりまで来て、川魚料理や水遊びを楽しみ、

小中学生も臨海学校などできたといわれています。

 

河川敷を見ると、アレアレ、10月だったかの水害の影響で、上流から流されてきた大木の根っこの残骸が河川敷のあちこちに無残な姿をさらしています。土手のすぐ下にまで押し上げられているものもあります。

自然の驚異の姿をホンの少しだけですが見ることができました。

ここから下、3葉の写真は、10月13日(台風19号の翌朝)の写真です。

もうすでに木の根っこなどの漂流物が、水の引いた後に見えます。

午前10時ころですから、濁流はだいぶ引いていますが、ピーク時は足元まで水が来ていたのでしょうね

うちの奥さんは、台風の翌日は必ず娘を連れて多摩川まで行っていました。

野次馬の典型です。

この写真は昨日の1月6日です。

左のマンションの手前が土手ですが、その近くまで濁流が押し寄せ、怒涛が逆巻いていました。

川の中州もまだ残骸が残っています。向こう側は川崎市の登戸や中之島あたりです。

 

このような、あるいはこれより数百倍、数万倍も規模の大きな気候危機がいま、地球上のあちこちで人間に襲い掛かろうと、手ぐすね引いて待ち構えています。イヤ、すでに地球各地で襲い掛かりつつあるといえます。

 

また、ここではおなじみの“河川敷の人”の姿がありました。ビニールハウスの農機具置き場や畑の野菜も見えました。この人たちはどうしたのだろうと思っているところへ、畑をいじっている人の姿が見えました。

ビニールハウスや農機具を入れる小屋などがあります。

 

うちの奥さんがその1人にインタビューしました。

聞くと“台風の夜は近くの公園のトイレで、ずっと便器に座って嵐が過ぎ去るのを待っていた”とのこと。あまり人と話すことを好まないようです。

濁流の流れの関係で、一番早くにぶつかる位置にあったビニール小屋や畑などは壊滅状態でしたが、せっせと働いている人がいます。

 

しかも台風以後、ここにいた人びとはすぐに「復興」に取り掛かかったようです。再び、同じようなビニールハウスができ、田んぼには野菜が生えていました。

この人たちを「たくましい」というのか、野菜たちを「たくましい」というのか、論議が分かれるところですが・・・・

 

この多摩川という一級河川の河川敷には一体、地主がいるのでしょうか?いるはずはありません。国有地なのですから。近隣に住んでいる人が畑を耕しているという話も聞きます。実態を調べるという意識よりも“彼らもたくましい”と思ってしまいます。

 

富士山を眺めていると、その右側に高い塔のような建築物が見えます。そこは「よみうりランド」の宿泊棟あたりです。

ここができたばかりのとき、よみうりランドでは夏スキーやジャンプのできるタワーをつくりました。(伝聞ですが、)これができてすぐにジャンプした人がスキーに失敗して亡くなったそうです。それ以来、ここは夏スキーやジャンプには使われなくなったといわれています。

写真の右側にある塔が「よみうりランド」です。

 

私は現役のころ、ここで2年に1回の全国総会で会場に借りる交渉をしたことが何度もあります。

もっと前には、別の団体で個々の地域の稲城町(当時。現在は市)の責任者をしたことがありますのでほかの人より多少は詳しいのです。

 

それにしても自然の営為は残酷なものですが、新しいものも運んできます。

鳩だか何だか分かりませんが、小鳥がせっせと何かをついばんでいます。豊かな栄養分を含んだ土壌が流されてきたのでしょう。

これは鳩ですね

 

でもこの上流から流れ着いた漂流物は、誰が整理をするのでしょうか。

次の台風まで自然淘汰を待つのでしょうか。

 

そこへ大型のダンプカーが(調布市側ですが)、3台も入り込んできました。流れ着いたものの整理でしょうか。全然、別の作業かもしれません。

狛江市は予算も少ないので、そんなことはできません。だいいち、土手の道も調布市側は舗装道路で、狛江市側は砂利道です。でも、砂利道のほうが自然に近いので良いのかもしれませんが・・・昔の市長がバカラとばくでつかまったツケがまだついて回っているのでしょう。

もうここは調布市側です。

 

汗ばんだウオーキングのあと、いろいろ考えさせられることがたくさんあることに気が付いて帰路につきました。

| 環境・自然保護関連 | 07:01 | comments(0) | - |
遅きに失した沖ノ島世界文化遺産登録―5

 今日のニュースでは、毎年5月に沖ノ島で執り行われている祭祀の行事を来年から中止すると宗像大社が発表しました。民間である宗像大社が決めたことですから、私がはたからどうこう言えませんが、ひと言だけ申し述べたいことがあります。

沖ノ島は福岡県宗像市に属する。

島は宗像大社の私有地で、公共の交通手段はない

 

 

 世界遺産条約の主旨は、全人類に普遍的な価値をもつ遺産の保護・保存における国際的援助体制の確立および将来の世代への伝達を義務付けています。また、世界遺産リストの作成や登録された遺産保護支援を行う世界遺産委員会の設置や、締約国からの拠出金や贈与などを資金とした世界遺産基金の設立を明記しています。

 

 さらに条約本文では、文化遺産の定義の基本として、「歴史上、学術上、芸術上、顕著な普遍的価値を有するもの」ともあります。

 

 この、歴史上、学術上、芸術上、顕著な普遍的価値を有する沖ノ島は、宗教的な決め事があるにせよ、一定の規制をはかりつつも、ある程度国民に知らしめる必要があるのではないでしょうか。それを国民どころか、これまで沖ノ島に慣れ親しんできた人びとまでをも締め出すことが、果たして最良の選択であるかどうか、再考を促したいところです。

もう一度、沖ノ島の位置を確認してください

| 環境・自然保護関連 | 09:06 | comments(0) | - |
ー4  沖ノ島

 世界遺産登録数では、いまは中国がスペインと1位を争っています。中国は今年の世界遺産委員会の登録数で1位になりたかったようですが、そうはいきませんでした。

前方後円墳5基、円墳35基、方墳1基の合計41基から成る「新原・奴山古墳群」

 

 もともと、世界遺産への登録という考えは、欧米が“自分たちの文化や自然が人類でもっともすぐれたものだ”ということを証明したいがために発想したものです。私はこれを“欧米優性思考”と言っています。「ギネスブック」や「ノーベル賞」やあれやこれやも、ほとんどがその発想から始まっています。その良し悪しは別としてですが。中国の中華思想と変わりません。

 

 その中国はというと“大きいものはいいことだ”と、むかし聞いたような発想です。大きいことや長いことや、あれやこれやで世界一になりたいと熱望しているので、欧米の発想の裏返しですね。この中華思想こそ、事大主義の極致だと思います。

雄大な眺望を誇る「遥拝所」。島内には九州で唯一、船で渡るオルレコースも作られている

 

 たとえば、チベット高原に鉄道が敷かれましたが、私も驚きました。おそらく一日の乗降客が一ケタの人数だと思える駅の駅舎が、長さが100メートルほどもあるどでかいものなのです。中国の駅はどこでもバカでかいものばかりです。上海の奥地にある「何とか村」は、「エッフェル塔」や「ホワイトハウス」や「ロンドンブリッジ」など欧米の有名な建築物の模倣建物で一杯でした。あきれました。その建物は誰も入れないし、何にも使用されていないのです。

| 環境・自然保護関連 | 07:14 | comments(0) | - |
遅きに失した沖ノ島世界文化遺産登録−3

 では、改めて「沖ノ島」そのものの説明と登録に至るまでの経過を含めてご紹介しましょう。

 

 宗像・沖ノ島と関連遺産群は4〜9世紀に航海の安全を祈る古代祭祀(さいし)が行われた九州北部の沖ノ島(宗像大社沖津神宮)や大島(同宮遥拝所、同大社中津宮)、九州本土の同大社辺津宮、祭祀を担う豪族が築いた新原(しんばる)・奴山(ぬやま)古墳群など宗像、福津両市の8件の国指定遺跡で登録をめざしていました。

沖ノ島を中心とした地図。私は10年ほど前に沖ノ島周辺の対馬と壱岐を訪問して、朝鮮半島との文化的な交流や「元寇の役」などに関する調査活動を行った。対馬では、日露戦争の際、ロシア艦隊が撃沈されるところを遠望できて、海上の水兵たちを救助したという話を聞いた。

沖ノ島は周囲約4km。九州本土から約60km離れた玄界灘の海上にぽつんと浮かぶ

 

 諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)は、このうち大島と九州本土を除く沖ノ島付近の4件について世界遺産への登録を勧告しました。沖ノ島には国家的な祭祀の遺跡が残り、指輪や鏡など大陸との交流を示す奉納品が出土しました。

 

 除外条件を巡っては、2013年に富士山(山梨、静岡両県)が世界文化遺産に登録された際、イコモスは構成資産の三保の松原(静岡市)の除外を条件に登録を勧告し、日本政府が説明した結果、世界遺産委員会では三保の松原も含めてすべて認められた経緯があります。(5月5日、日本経済新聞の記事から引用)。

 

 今回の沖ノ島に関しても、イコモスは沖ノ島のみを世界遺産に登録と主張していたのですが、日本政府の働きかけもあって九州本土の各種歴史遺産を含めての登録となりました。

 私がこのブログの表題に「遅きに失した」と書いたのは、沖ノ島のようなところをこそもっと早くに世界遺産への登録を申請するべきだったということです。それが全面的に認められたことは評価できますが、このような場所をこそ、その価値を認めるベきだったと思います。

「中津宮」の境内には天の川が流れ、その川をはさんで牽牛神社と織女神社が鎮座

 

 それまで、あるいはこれまでの世界遺産登録は、まるで「世界遺産登録競走」であって、“この競争に打ち勝てば我が世の春来たれり”といわんばかりの風潮に大きな警鐘を乱打してきたからです。それは世界各国でも同様でした。

 

下記の世界遺産登録ランキングを頭に入れておいてください。

世界遺産登録数国別ランキング

  • 1位……53件 イタリア
  • 2位……52件 中国
  • 3位……46件 スペイン
  • 4位……43件 フランス
  • 5位……42件 ドイツ
  • 6位……36件 インド
  • 7位……34件 メキシコ
  • 8位……31件 イギリス
  • 9位……28件 ロシア
  • 10位……23件 アメリカ
  • 11位……22件 イラン
  • 12位……21件 日本
  • 同……21件 ブラジル
  • 14位……19件 オーストラリア
  • 15位……18件 ギリシア
  • 同……18件 カナダ
  • 17位……17件 トルコ
  • 18位……15件 スウェーデン
  • 同……15件 ポルトガル
  • 同……15件 ポーランド
  • 次点……13件 ベルギー
| 環境・自然保護関連 | 09:10 | comments(0) | - |
――2  遅きに失した沖ノ島世界文化遺産登録

 私がこの問題でまず言いたいことは、世界遺産登録は、“わが県の観光客誘致の決定版”という風潮をなくすということです。それらの風潮が蔓延(はびこ)った責任と原因は政府にあります。

 

 それには、世界遺産という「怪物」がどのような目的で出発したか、から理解しなければなりません。その概要として、次のように位置づけられていることを知らなければなりません。

 

 文化遺産および自然遺産が、衰亡という在来の理由のみならず破壊や損傷といった新たな危険にさらされていることに留意し、これらの重要性を明記し、これらの保護を国際社会全体の任務としている。締約国には、全人類に普遍的な価値をもつ遺産の保護・保存における国際的援助体制の確立および将来の世代への伝達を義務付けている。また、世界遺産リストの作成や登録された遺産保護支援を行う世界遺産委員会の設置や、締約国からの拠出金や贈与などを資金とした世界遺産基金の設立を明記しています。

 と、概要として位置付けられています。

 

 続いて、条約本文では、文化遺産の定義の基本として、「歴史上、学術上、芸術上、顕著な普遍的価値を有するもの」とあります。

 

 このどこにも、目的に“世界遺産に登録されれば、あなたの県は観光客を誘致できて、大儲けできて、予算が潤いますよ”などとは書いてありません。

 

 すでにわが国には、16件の文化遺産と4件の自然遺産の計20件が登録されています。世界ではすでに1千件を超えています。

 

 今回の登録に関しては、それらの「概要」や「条約」の基本的な精神からすれば、遅きに失したといいたくなります。それほどの普遍的な価値を有しているからです。

沖ノ島

 

 ここ2〜3日、テレビでも放映されていますが、沖ノ島に上陸するには“禊(みそぎ)”をしなければ上陸できません。いいたいことは、それくらい人の手に染まらないことが厳しく求められていることです。いわば、“人の垢(あか)に染まっていない”ことです、それほどの希少価値があることです。

 しかし、テレビが放映したものは、地元の市長の「喜びの声」でした。

 なぜ、学術研究者や専門家に取材をしないで「市長の喜びの声」なのでしょうか。さらにこれもきのうのテレビは、テレビ局の社員がカメラを手にして、禊をして上陸し、撮影しているシーンでした。

 私は、人の手を排除すればいいと言っているのではありません。世界遺産というものは、儲け本位のものではなかったはずだといいたいのです。

| 環境・自然保護関連 | 04:45 | comments(0) | - |
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