シルクロード日誌

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旧暦から太陽暦へ
                     091019 野口 信彦

日本には「旧暦」という伝統的な暦法があります。

明治時代になって、旧暦から太陽暦に改められて廃れたように思える旧暦ですが、今でも旧正月や旧盆など、旧暦にもとづいた行事、祝日や季語など、多くのところで親しまれ続けています。

この旧暦とは、江戸時代に作られた天保暦といわれる暦法のことですが、この暦法の起源は紀元前の中国にまでさかのぼれます。
今も根強く残る旧暦という暦法とはどのようなものでしょうか。

東アジアの暦法を語るには、まず、説明しておかねばならないことがあります。
それは、太陽暦、太陰暦、そして太陰太陽暦という3種類の基本的な暦法です。

まず、太陽暦は太陽の運行をもとにして作られた暦法であり、1年が約365日となります。
この暦法の代表的なものは、古代ローマにおいて紀元前46年にカエサルが制定したユリウスと呼ばれる暦法でしょう。

この暦法はヨーロッパでは16世紀に至るまで使用され続けることになります。
そして、1582年、ユリウス暦の誤差を正す形でグレゴリオ暦が施行され、これが現在でも、世界的に使用される暦法といってよいでしょう。

次に月の運行をもとにして作られた太陰暦があります。

これは月の満ち欠けの周期が29.5日であることを基本とし、1ヵ月を29日と30日と交互に組み合わせて月の運行にあわせる暦法でした。
それを12回繰り返したところで1年とするため、1年は約354日となってしまいます。

当然、太陽の運行の観測よりも月の満ち欠けの観測のほうが容易です。
しかし、この暦法では1年に約11日ずつ太陽暦とのズレが生じるため、年を重ねるごとに季節が変わっていってしまうという現象が起きます。
これが農耕生活を送るようになった民族にとって致命的な現象になることはいうまでもありません。

こうして太陰暦は多くの民族から姿を消し、太陰暦や次にご紹介する太陰太陽暦へと移っていきます。
とはいえ、イスラム世界ではヒジュラ暦として現在も使われており、ラマダンなどイスラム教徒にとっての多くの祭礼の基準となっているのです。

こうした太陰暦の欠点を補ってつくられたのが、一定の周期で「うるう月」を挟み13ヶ月で1年となる年をつくることによって太陽暦とのズレを解決する太陰太陽暦です。

この太陰太陽暦は、中国やメソポタミア、ギリシアなど農耕を行うようになった古代の文明の多くで採用され発達していきます。
しかし、その後、古代ローマやヨーロッパの影響を受けた文化圏ではユリウス暦などの太陽暦を採用していったため、太陰太陽暦は東アジア独特の暦法となっていくのです。
| コメント | 04:45 | comments(1) | trackbacks(0) |
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とてもためになりました!
| 誰かさん | 2013/10/20 6:11 PM |
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