シルクロード日誌

日本シルクロード文化センターのブログページです。シルクロードに関する情報、コメント、旅日記などを綴ります。
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シルクロード・新疆の少数民族
 今回から、改めて新疆ウイグル自治区に特化して、その地に居住している諸民族をご紹介したいと思います。

このブログをいつも見てくださっている方からメールがありまして、「シルクロードそのものの基礎から書いてほしい」と言われました。


北新疆イリに居住するオロス(ロシア)族のロシア人と。
2005年12月撮影。今日の写真はすべて同じ日、同じ地域で写しました。


このブログを書き始めたのが、2004年となっています。それも必要かなと思いましたので、それをベースにして書きながら、時々刻々の出来事に対しても触れていきたいと思います。

 

シルクロードは長安から河西回廊を経て、天山南路のオアシスルートか北のステップルートを通り、中央アジアを横切り、ペルシアやローマを往復するルートでした。

 

と、ここで常套句のように、「シルクロードは長安からローマまで」という言い方をしましたが、果たして、ローマまで中国からの交易の痕跡があるのかどうか確かめてみたいものです。史料にしかないのではないかと思いますが、どなたかご存知の方はおられないでしょうかね。

 
イリで楽器店を営むオロス(ロシア)族のロシア人。

そのルートには世界の四大文明といわれる中国の黄河・長江文明、インダス文明、メソポタミア文明、エジプト文明があり、西域では数千年前から、スキタイ・サカ、月氏、烏孫、羌、匈奴、漢、鮮卑、柔然、高車、悦般、吐谷渾、突厥、ソグド、チベット、ウイグル、モンゴルなど、歴史に名が残る民族の活動がありました。

 

その昔、この地域はカラハン王朝やジュンガリア王国が支配し、モンゴルやチベット、漢族などが絶え間なく侵入して、覇権を競いあっていました。

 

1955年から新疆ウイグル自治区と呼ばれるようになったこの地のトルコ系民族は、900万人という最大の人口をもつウイグル民族のほかに満族、モンゴル族、回族、カザフ族、キルギス族、ウズベク族、タジク族、タタール族、オロス族、シボ族、ダフール族の12民族が居住しています。

オロス族のロシア人は、先祖の墓を守ることが最も大きな仕事だと言っていました。向こうのロシア風家屋の手前がお墓です。


 

また、西域の諸民族は世界の5大宗教である仏教、キリスト教、マニ教、ユダヤ教、イスラム教を信仰してきました。さらに、モンゴル族はチベット仏教、オロス族はロシア正教を、そして新中国以降、大量移住で新疆の最大民族になった漢族は仏教や道教を、一部はキリスト教の一派である景教を信仰しています。

ほかに、人口の極めて少ない民族を含めれば47の少数民族が居住しています。

 

キリスト教系の民族

 

悲劇の民族−オロス(ロシア)族


ロシア人の女性。「将来の希望も楽しみもない」と言っていました。

 

ロシア正教を信仰するオロス族はロシア族の中国読みで、新疆では唯一のスラブ系民族です。97年の新疆在住者は9200人で、内モンゴル、黒龍江省も含めれば約13500人が中国各地に居住しています。現在では約5000人が居住していますが、人口の流動が多くはっきりしません。そのロシア人の多くが新疆のイリに住んでいるという背景には、苦難と悲劇に満ちた歴史に彩られた歴史があるのです。

 

18世紀前半にロシア帝国がカザフ草原を版図に収めると、ロシア人はオアシス地帯に侵入し、ヒヴァ、ホーカンド、ブハーラのウズベク三国を征服しました。その後、ロシア帝国による東方への領土拡張政策で、西トルキスタンから東トルキスタン(新疆)への侵入がありました。

オロス族の集落は、塀をめぐらして
他と断絶した生活を送っています。

 

彼らは1917年のロシア革命のあと、移住者の大部分が中国領内に残りました。その後、1933年の「東トルキスタン・イスラーム共和国政府」の樹立では、国民党新疆省政府軍の一員として、44年の「東トルキスタン共和国政府」樹立の戦いには、民族軍の一員として、新疆における独立運動に直接、参加しました(01年『季刊中国』春季号の拙文「イスラム教の動向と中国の民族問題」参照)。

 

ロシア革命を逃れて新疆に亡命したロシア人は、文革時には「ソ連修正主義は出て行け!」といわれのない迫害に遭い、無慈悲にも追放されたのです。

オロス(ロシア)族住民の人口移動は激しく、新中国成立後オロス族のソ連領への大規模な移動がありました。53年の人口調査で22656人とされていた新疆居住のオロス族は、64年にはわずか1326人に激減していました。いわばロシアに身寄りもなく中国に取り残された人びとでした。


イリのイーニン市立ロシア語学校です
 

わたしがイリで暮らすオロス族の人びとに会った時は、「兄弟や仲間たちが、かわるがわる、オーストラリアや世界の各地に商売に出かけている」と言っていました。彼らが帰ってくると、バトンタッチで別の人が出掛けるといいます。まさに「国境の国際人」ですね。

 
ロシア人が経営する楽器屋さんの看板です。

| 諸民族 | 05:19 | comments(1) | trackbacks(0) |
コメント
蘭州観光ガイドは、シルクロードの起点をとして、周りには、炳霊寺石窟や麦積山石窟などの世界遺産地もあります。張掖丹霞地貌は、七彩丹霞は、絶景です。敦煌莫高窟は仏教芸術の最高で、嘉峪関は、万里長城の最後です。古い長安から西域への風景も素晴らしいで、ウルムチ天山、カナス湖、サイリム湖、カシュガルなど。蘭州ラーメンは、人気がある名物です。
http://www.lanzhoutrip.com
| xiazu | 2017/11/08 11:08 AM |
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