シルクロード日誌

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ウイグル人の生活習慣及び風俗・伝統あれこれ ―11

障がい者対策

 

 以前、トルファンの長老との話の中で「障がい児は学校には行かせない。トルファンには障がい児の学校はない。学校では障がい児をいじめることが多少ある」ということが気になっていた。要するに、障がい者・児の存在は恥ずかしいことなので、「世間から隠す」ということだということが分かった。それを思い出して、「障がい者対策はどうなっていますか」と聞いてみた。

これは昨日掲載した写真です。

障がい者を正面から撮影する勇気は私にはありませんでした。

したがって、今日は写真はナシです。

 

 副院長は「隣のカシュガル市に専門の病院があります」とちょっと自慢げに言った。「障がい者・児を差別したり、いじめるようなことはありませんか?」と聞くと、「イスラームには弱い人を助けるという教えがあるので、そういうことはまったくありません」とピシャリと言われた。医療と宗教が一致した姿だと、救われたような気持ちになった。

 

 しかし、だとするとトルファンの長老の話とはあまりにも違うではないか。この医師は、イスラームの教えを文字通り教条として言っているだけなのだろう。考えてみるとこれまでの経験では、中国でも新疆でも、建前と実際が常にかけ離れているのだから・・・・

 

 確かに、観光地で観光シーズンには障がいのある人はあまり見かけない。それは、家の中に隠しているからである。だが観光シーズンから外れた時期や農村地域あるいは貧困層の集落などに入っていくと、障がい者・児がとても多いことに驚く。日本では、心身・精神面での障がいを持っている人やハンセン氏病などに対する偏見の克服が、まだ不十分とはいえ、世論の力も働いてある程度進んできている。しかし中国ではまだ、障がい者・児などがいることが恥かしいことなので、人前に出せない、家の中に隠しておくという偏見や無理解が多くを占めているのである。


 数年前、アルズグリ先生が自分の息子たちを3ヵ月間だけ日本に呼び寄せたことがあった。私と同じ東京都狛江市に住む教員の友人が、自分の勤務している小学校へ案内したら、彼らは新疆の学校とは比較にならない日本の小学校のバリアフリーの建物や設備にも驚いていたが、「最も感動したのは、クラスに障がい児がいて、そのための施設が整備されていて、何の差別もなくみんなと仲良く勉強し、遊んでいたことです」と語っていた。

 

 ここの医師の話では,南疆は白内障が多いという。強烈な紫外線に当たる時間が多いからであろう。農民に多いという。さらに産婦人科関係の病気も多く、都市住民では胃腸関係とガンや腎臓結石などが多いということであった。そうであれば、病気のオンパレードではないか。

 

 乳幼児の死亡率を聞いたが、「それはほとんど問題ない」という返事。あまり統計に表れないからだろうか、問題ないということは。成人になってからの心臓病や糖尿病、血圧関係による死亡が多いという。いやしかし、乳児・幼児の死亡率が高いことは公表されているではないか。衛生状態や食料事情が原因だということも発表しているのに・・・・

 

 健康保険に該当するものとしては、本人が年間で15元、政府が15元支払って、入院の場合は40%の負担になるという制度がある。また、給料から保険料が2%控除され、病気になったり、入院すると25%の負担だという制度もあるという。それは高いや。日本では病人や高齢者などに負担のかかる医療・福祉の国民負担が進んでいるが、社会主義を標榜する中国がこの高率とは、と意外な気がした。しかし、他の民間保険に入っていれば、あとから還付されるし、職がない人は10%程度の負担でいいという。そこは日本と違う。

 

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