シルクロード日誌

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ウイグル人の生活習慣及び風俗・伝統あれこれ ―29

年収が500元!

 

ゆうべ彼と話したとき、ここの農民の平均年収は約1000元(13年前の相場で1万5000円)だと聞いて驚いた。だが、深夜まで色々なことを話し合い、翌日再び顔を合わせた時、彼はこう訂正した。「きのう野口先生と話し合っていて、信頼できる方だと思いましたので本当のことを言います。農民の年収が1000元というのは政府の公式発表で、正しくは500元です」。

貧しさの象徴のようにこの写真を使用しているが、煙を吐く工場があるだけでも、

富が存在していることになる。もう、写真選定に迷う。

 

500元というのは日本円で7500円程度。月収ではなく年収である。私を信頼してくれ、真実を話してくれたという嬉しさより、その数字に圧倒された。これでは何もできない。貨幣価値が違うといっても、月約40元(600円)である。これでは本当に何もできない。絶望があるのみであろう。ほかの貧しい村と同様、ここの住民にとって、ウルムチも北京も日本も世界も、テレビでしか見ることのできない夢の世界の話なのである。年収500元だとすれば、当然、テレビを買うこともできないであろう。

 

皮肉にも翌日の夜見たホテルのテレビでは、月給が1万元という上海のキャリアガールの成功談が映し出されていた。帰国後の知人の話では「上海の女性の平均給料は6000〜7000元程度ですが、新疆では年収がゼロという土地もありますよ」との言葉があった。さらに義務教育問題で系統的な調査をした北海道大学大学院のウイグル人研究者、マイラ・メメティさん(当時は米国で研究留学中)は「私の調査した南疆の農民の平均年収は600元でした」と言っていた。この低収入はどのような農業構造から来ているのだろう。

 

沙漠の狼の仔

一見、かわいらしいが、やはり狼の仔は狼である。

 

仔犬がいたので、ヨシヨシとばかりに左手を口に手を当てがったが、驚いた。強烈な力で指を咬んでくる。驚いていると「それは軍隊が砂漠で捕まえた狼の子どもですよ」という。そう思うと、何か眼が違っているようにも思える。この時から私は狼に強い関心を持つようになった。その後は、少し硬めの靴を咬ませるようにした。

でも、かわいらしい。

 

その後、文革中の「下方」で内モンゴル自治区へ追放された青年が、狼との触れ合いの中で“狼は神だ!”と述べるにいたった作品を読んだ。私が本を読んで涙を流したのは、この本だけである。残念ながら本の題名を忘れた。甥っ子が、生きることにふてくされていた時期に、この本をプレゼントしたので、また読みたいと思っている。「返せ」というと「どこかにいっちゃった」という答えが返って来たのみであった。

| シルクロードの光と影 | 06:39 | comments(0) | - |
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