シルクロード日誌

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ウイグル人の生活習慣及び風俗・伝統あれこれ ―30

中学校訪問

 

「書」のコンクールで中国のNo2になったというAさんの次男坊の留学を依頼された。

私は、中学3年生になるという次男坊君に「日本に留学するには、君自身がウイグル人としての伝統と習慣を守りながら、しっかり勉強して高校・大学を卒業して、日本語を勉強してから考えなさい。私もできることは応援しますよ」と言った。私に初めから経済的な面も含めて援助をお願いするというハラは読めているので、先手を打ったのである。

グリさんの新疆大学の同級生の彼。

 

帰り際、Aさんは私を村で一つしかない中学校に案内してくれた。今回はもう教務室には行きたくなかった。生徒たちにジカに接したかった。学校内に入ると、校舎の2階のバルコニーに出ていた生徒たちがニコニコしてわたしを見つめていたので、ニッコリして手を振ると、みんなとてもいい笑顔で手を振ってくれる。その中には高校生の長男坊がいた。みな本当に輝いた顔をして、一介の外国人であるわたしに手を振ってくれる。

中央のうしろに長男の顔だけが飛びぬけて見える。

 

やがてある教室に案内された。キラキラと瞳の輝いている中学生たちが机に座っていたので、ウイグル語で大きな声を出して「みなさん、こんにちは」と言うと、誰の指示もないのにみないっせいに席を立って「こんにちは!」と大きな声で答える。ビックリした。お客さんを大切にするという民族の伝統が、見事に生きていると思われた。大きな声で、半分ウイグル語、最後は中国語で「わたしは日本からウイグル人のみなさんの勉強に来ました。皆さんに会えて嬉しいです。ありがとう」と簡単にメッセージを伝えると、またもやいっせいに声を合わせて「ありがとうございました」と言う。嬉しかった。起立している生徒の後ろのほうに、あの背の高い次男坊の息子の姿があった。そうか、彼はちゃんと息子のいる教室に私を案内してくれていたのだ。

 

Aさんの家に戻った。やがて出発の時間が近づいたので立ち上がろうとすると、「野口先生の旅路の無事と仕事の成功のために羊を食べていってください」と言われる。朝食も腹いっぱい食べたし、もう時間がないからと言うと、「いけません。食べていってください。もし羊をつぶして赤い血が出れば、旅の無事が約束されるのです」。羊をつぶして白い血が出るわけがないではないか。赤い血が出るのは当たり前である。「食べてくれないなら、私は同級生のアルズグリと野口先生と友達になれなくなるから食べなくてはだめです」と、まるで脅迫である。「朝食を頂いたばかりですし、もうこれ以上食べられないので、私のために羊を1頭殺すのはもったいないから…」と言っても「これはウイグルの習慣ですから、だめです」と聞いてもらえない。苦しい思いをしながら、おいしい羊を食べた。このように新疆各地では毎日、数万頭の羊が人びとの胃袋に入っていくのであろう。だが、彼ら家族の私を歓迎する気持ちはよく理解できた。心から感謝したい。

残酷な写真のようですが、羊を食べるところでは、毎日数万頭の

羊がこのように食べられているのである。「かわいそう!」などといっていられない。

あわれ羊君の頭。ここもおいしいのですよ。

私がお世話になった一家の家族。私の隣が次男坊。その右がお母さん、後ろが長男。

 

 

再び、砂にまみれた集落を後にして、西域南道に戻っていった。

ご夫婦と一緒に。

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