シルクロード日誌

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ウイグル―35 クチャ

キジル千仏洞

クチャの全景を見渡すようにクマーラジーヴァがいる

 

クムトラ千仏洞からムザト河を15キロ程遡った上流に、新疆地区最大の石窟寺院キジル千仏洞がある。キジルとは「水源」のような意味になる。敦煌莫高窟に次いで、シルクロードに咲いた仏教美術の名花である。土地の人びとはキジルを「上の千仏洞」、クムトラを「下の千仏洞」と呼んでいる。かつてはムザト河に沿って道があったのだろう。現在、クチャからキジルへ行くにはムザト河の渓谷を避け、だいぶ遠回りをしなければならない。

ムザト河


 奇岩の聳える塩水渓谷を北上し、天山南麓とチョルタク山系との間のゴビを西進する。道は拝城県のオアシスを目前にして南下すると累々たる丘陵地帯に入る。突然、丘陵地帯が途切れる。眼下にはムザト河の流れがあった。

クチャの千仏洞の向こうには、まだ荒涼とした土地がある


 キジル千仏洞は、ムザト河北岸に東西2キロにわたってつくられている。その数は現在236窟が確認されている。開窟の時期は3世紀。そして9世紀〜10世紀まで石窟の造営は続けられた。放棄されたのは11世紀頃。この西域最大の千仏洞は、今世紀初頭に多くの探検隊が発掘調査したことでも知られている。

キジル千仏洞

 

 仏教美術において、飛天は主尊の如来を讃えて虚空を飛びながら合掌し、あるいは散華( さんげ ) (花を撒き散らすこと)あるいは奏楽によって供養する姿で現わされる。飛翔の方式は大別すると2種類あって、1つは鳥類のように翼をはばたいて飛ぶもの、もう1つは天衣をひるがえしながら飛ぶものである。クチャには、男性飛天、女性飛天、楽天像、飛天童子、菩薩形飛天、天女風な飛天など独自の西域風の飛天が数多く姿が描かれた。

 

 キジル石窟には、前室、後室や回廊があり、涅槃図の天井には美しい飛天が奏楽や散華している画が描かれている。特に、スバシ故城のトンネル状の廊下には琵琶、ハープ、笛、華盤などを持った飛天が飛びかい、奏楽し散華している姿が数多く見られる。

キジル千仏洞へ着く前に数々の窟があったであろう遺跡が立ちはだかっている

 

 

 ここのガイドには、以前は大学で専門的な研究をしてきたウイグル人がいた。最近ではガイドはほとんどが漢人になっている。どうしてだろう。まだ、大学を出たばかりのような若い娘が一生懸命説明する。それもマクドナルドのスタッフのように決まった言葉しか話さないように見受けられる。しかもとても下手な日本語である。それでも、しどろもどろの説明が終わって、こちらから質問をすると彼女は答えられない。質問の日本語が分からないのだろう。答えられないどころか、“なんでそんな質問をするんですか!”とばかりに怒りをぶつけてくる。なんと無知で短気でわがままなガイドかとびっくりする。帰りには、普段はそんなことをしてはいけないことになっているが、ガイドが帰宅するために私たちの車に同乗するのである。そして結局、私たちは遠回りになり、お姫様は堂々とご帰宅となる。エライ変わりようであった。

玄奘三蔵もこの谷川を歩いて行ったのだろう

 

スバシ故城

 

 亀茲国の全盛期、4世紀の王城の絢爛さを『史書』は伝えている。「外城は長安城に等しく、室屋は壮麗なり」、「王宮の壮麗さは(かん)として(光輝くの意)神居の如し」、王城は、三重の城郭で囲まれ、外城は長安城の如く、宮室は玉や金で飾られ、その壮麗さは、たとえようもないほどであったという。河を隔てて2つの寺院があり、大城の西門の外の路の左右には、おのおの立仏の像の高さ90余尺のものがある。伽藍は100余ヵ所、僧徒は5000余人・・・。人々は功徳を積むことを競っている。


 7世紀の初め、クチャを訪れた玄奘三蔵は、仏教の盛んなる様を次のように記した。

 

「街門には、30メートル程の仏像が、左右に1体ずつ立っている。西方からクチャに向かう旅人たちは、遙かなゴビの果てからも荘厳な2体の仏像を拝しえたであろう。クチャは最大の仏教都市でもあった」。玄奘三蔵『大唐西域記』から。

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