シルクロード日誌

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56−−ウイグル人の義務教育上の学費

トルファンのある中学の体育教師と話しあった。

 

「この中学の生徒たちの70%は農民の子どもたちで、不登校は1%か0.1%くらいでしょう。暴力は聞いたことがありませんが、いじめは多少あります。急用や病気で休むことはありますが、普通、遅刻・早退は少ないです。

狛江市と群馬県沼田市の教員グループと一緒だったが、訪問した中学校(日本の高校)は、グリさんの妹が教員をしているトルファン郊外のルクチュンだった。2005年のことだった。

 

 

 学費は小学生が半年で30元(1元を日本円で15円と換算すると450円)、小学生の上級生が50元、教科書代は60〜70元ぐらいです。初級中学の学費は200元くらい、教科書代は別で、昼食は家に帰って食べます」という。

 

 仮に中学生と小学生上級生の子どもが2人いると仮定して、年間の額を計算すると、学費は120元、教科書代は240元、合計で740元になる。レストランのウエイトレスの月給が大体300〜400元ほどである。その2か月分近い額になり、南部の農村地域では農民の年収が500元のところが存在している。その金額は、泣く泣く中途退学しなければならないほどの高額なのである。

この学校はルクチュンではなく、トルファンだったと思う。

 

 

 彼らウイグル人の党員教師たちは就学率の高さを強調するが、中途退学者の存在の多さを決して言わない。

 ※但し、この義務教育の話は南新疆のカシュガル近郊の農村の実例である。トルファンは比較的裕福な農村地帯なので、実状は少し異なる。

ルクチュンでは、奨学金をプレゼントした覚えがある。私はこの当時、新疆に日本人の日本語教師を派遣して日本の文化を広めようと奔走していた。北新疆のイリで実現寸前まで行ったが、当局からの「あの男(野口)は危ない人間だ」のひとことで、それまでの努力がご破算になった。

 

 この学校には05年8月の女性教師たち数人とともに教師や生徒たちとの交流を目的に再訪した。学校ではわたしたちの到着時間を見計らって中央アジア特有のアトラス模様のワンピースを着たチアガールの少女たちと、ブラスバンドでの出迎えに度肝を抜かれたものであった。

ルクチュンの中学に到着した時の写真

 

 

 しかし、表面では見ることができない有償の義務教育の現実の姿は、1回きりしか訪れることのない観光客には決して理解することができない。

その後の旅は北新疆へ向かい、カザフ族などと交流した

 

| シルクロードの光と影 | 05:31 | comments(0) | - |
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