シルクロード日誌

日本シルクロード文化センターのブログページです。シルクロードに関する情報、コメント、旅日記などを綴ります。
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ー21  シルクロード余話

シルクロード余話

 

コルラの出前演奏家夫婦。奥さんは、どことなく悲しそうな表情ですね。

 

 今回の河西回廊の旅のシリーズも、西安まで戻ってきました。

 

 わたしは、8月の私たちの旅のコースを、西安からいきなり敦煌にまで飛んで、こんどは地上を東の西安まで戻るルートを考えました。

 

 でも、なぜ、「戻ってくる」と言うんでしょうか。なぜ、“シルクロードは長安が出発点”などと言うのでしょうか。

 

 これは「中華思想」のなせるワザ。

 “すべては中華が天の中心”“中国の皇帝は、唯一、天が定めた”という考えがあるからです。

いまその中国政府と党は、「中華思想」の枠を取っ払って、漢族と異なる少数民族(わたしはこの、少数民族という言葉が嫌いなのです。なぜかって?少数より大のほうが偉いと思い込んでいる民族がいるからです)を、こともあろうに「中華民族」と呼ばせるようにしています。

 ハテサテ

 

 シルクロードが世界遺産に登録された時も、世界遺産委員会の席上(だったと思うのですが・・・)、韓国の代表が「韓国にもシルクロードがある」と発言すると、中国代表は「シルクロードは長安からスタートしている。だから長安の東はにシルクロードはない」と、この意見を切って捨てました。

 

 私はこのことを、昨年行なわれた、国際シンポジウムの席上で「そのとき、日本政府代表はどのような態度をとったのか」と質問しました。中国代表が韓国代表に対してそのようなことを言うのであれば、日本などはシルクロードの枠外になってしまいます。そのことに反論したのか、と質問しました。

 政府・文化庁の代表は、そのことには一言も触れないで「回答」しました。質問に答えない「回答」をするとは、神業だと思いました。中国に気兼ねしているのです。

 

 もうひとつ、質問をしました。「中国の『シルクロード一帯一路=AIID』政策は、シルクロードのロマンにかこつけた経済的な覇権主義につながるのではないのか」と。(会場からの質問は、あらかじめ配られた紙に書いて事前に質問していました。)司会をしていたどこかの大学教授は、わたしの質問を読み始めて、すぐに「これは、んん・・・・」とか言いながら中断してしまいました。“政治的な事柄だから”とか何とか言っていましたが、昔も今も、シルクロードが政治と無関係に進んだことが一瞬でもあったでしょうか。

 

 これが21世紀の現代における、日本と世界のシルクロード研究の到達点のひとつなのです。

| シルクロード | 06:44 | comments(0) | - |
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