シルクロード日誌

日本シルクロード文化センターのブログページです。シルクロードに関する情報、コメント、旅日記などを綴ります。
<< 沖ノ島、世界遺産に 勧告を覆し、8資産の一括登録決定 | main | 遅きに失した沖ノ島世界文化遺産登録−3 >>
――2  遅きに失した沖ノ島世界文化遺産登録

 私がこの問題でまず言いたいことは、世界遺産登録は、“わが県の観光客誘致の決定版”という風潮をなくすということです。それらの風潮が蔓延(はびこ)った責任と原因は政府にあります。

 

 それには、世界遺産という「怪物」がどのような目的で出発したか、から理解しなければなりません。その概要として、次のように位置づけられていることを知らなければなりません。

 

 文化遺産および自然遺産が、衰亡という在来の理由のみならず破壊や損傷といった新たな危険にさらされていることに留意し、これらの重要性を明記し、これらの保護を国際社会全体の任務としている。締約国には、全人類に普遍的な価値をもつ遺産の保護・保存における国際的援助体制の確立および将来の世代への伝達を義務付けている。また、世界遺産リストの作成や登録された遺産保護支援を行う世界遺産委員会の設置や、締約国からの拠出金や贈与などを資金とした世界遺産基金の設立を明記しています。

 と、概要として位置付けられています。

 

 続いて、条約本文では、文化遺産の定義の基本として、「歴史上、学術上、芸術上、顕著な普遍的価値を有するもの」とあります。

 

 このどこにも、目的に“世界遺産に登録されれば、あなたの県は観光客を誘致できて、大儲けできて、予算が潤いますよ”などとは書いてありません。

 

 すでにわが国には、16件の文化遺産と4件の自然遺産の計20件が登録されています。世界ではすでに1千件を超えています。

 

 今回の登録に関しては、それらの「概要」や「条約」の基本的な精神からすれば、遅きに失したといいたくなります。それほどの普遍的な価値を有しているからです。

沖ノ島

 

 ここ2〜3日、テレビでも放映されていますが、沖ノ島に上陸するには“禊(みそぎ)”をしなければ上陸できません。いいたいことは、それくらい人の手に染まらないことが厳しく求められていることです。いわば、“人の垢(あか)に染まっていない”ことです、それほどの希少価値があることです。

 しかし、テレビが放映したものは、地元の市長の「喜びの声」でした。

 なぜ、学術研究者や専門家に取材をしないで「市長の喜びの声」なのでしょうか。さらにこれもきのうのテレビは、テレビ局の社員がカメラを手にして、禊をして上陸し、撮影しているシーンでした。

 私は、人の手を排除すればいいと言っているのではありません。世界遺産というものは、儲け本位のものではなかったはずだといいたいのです。

| 環境・自然保護関連 | 04:45 | comments(0) | - |
コメント
コメントする









CALENDAR
S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< October 2017 >>
LINKS
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
モバイル
qrcode
PROFILE