シルクロード日誌

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中国におけるスパイ奨励法の制定は、シルクロードに何をもたらすか ――新疆ウイグルの現状――

 一般に日本では「スパイ」というと、“人道にもとる、人から忌み嫌われる卑劣漢”だという考えが多いようです。

 かつて私は、ウイグル人たちとの交流のとき「野口先生はスパイのようですね」と言われて激怒しかけたことがあります。よく聞いてみると、彼らの世界で「スパイ」とは“国・民族のために英雄的に働く素晴らしい人”ということだということのようでした。

 このように、中国も含めた外国では、“スパイは国を救う英雄”との考え方が多いようです。イギリスの映画「007」のように。

 

 数年前、日本でも安倍政権によって「秘密保護法」が採択されました。この法律は、政府の言う“スパイ防止が目的とされたもの”ではなく、戦前戦中の「治安維持法」に共通した内容だったので多くの反対がありました。

しかし、こんどの中国におけるスパイ法は全く違うようです。違うというより、とんでもない違和感を覚えました。新疆ウイグルやチベットなどの少数民族が多く住む地域では、もうとっくにやられていることです。

 

 10数年前、カシュガルの街を歩いているとき、あるビルの玄関先に、風に吹き飛ばされそうになっている当局からの「張り紙」の「通告書」がありました。

 「少数民族が3人以上で集まるときは当局の許可が必要であり、無断で集まりがあれば当局に通報すべし」と。

そのあと、日本の新聞で「テロを準備していた集団を警官隊が襲撃して数人を射殺した」というニュースが躍りました。「ウイグル会議」などのインターネットのニュースでは、「あれは結婚式の準備の打ち合わせをしているところを通報されたのだ」とされています。

 そうなんです。“テロの準備を通報する”ウイグル人のスパイがいるのです。

 これもよく聞く話ですが、「ウイグル人の3人に1人はスパイだ」と。

 

 これも10年以上前のことですが、友人たちと新疆シルクロードのツアーの途中、カシュガルで国際旅行社の男性のガイドが付きました。数日の観光ののちウルムチから“明日、帰国する”という晩、ウイグル人の友人たちが日本食レストランでお別れパーティを開いてくれました。そこへ件(くだん)のガイドがカシュガルから飛行機でやってきました。わたしは「ウイグル人がわざわざ飛行機でウルムチまできて私とのお別れパーティに来てくれた」と感謝の気持ちが湧きました。

 パーティも終わりになるころ、いつものようにダンスの時間になります。すると彼は私と踊りながら「野口先生、私の手紙を東京の友人に持って帰ってくれませんか」といいます。

 

ふつうウイグル人は人前では絶対に党や政府の批判など口にしません。当局に通報されるからです。それまで彼は、いつでもどこでも「中共は打倒しなければならない。政府の幹部はくだらない奴らばかりだ」などと口を極めて公然と批判・攻撃していました。その彼から「秘密の手紙」を東京に持って帰ってくれ、ということは普通に考えても党や政府を批判するものだろうと予測できました。

 ですから私は「わたしはそういうことはしない。そういうことは自分たちでやるべきことだし、ウイグルのことはウイグル人が、日本のことは日本人がやるべきだから」と断りました。

 

 帰国後、あるウイグル人女性と話す機会がありました。彼女は来日前、カシュガルの国際旅行社の社員でした。彼と同僚でした。「あ〜、彼は安全局から派遣されてきた人ですよ」と言いました。

 もしあの時、彼からの手紙を受け取って帰国する段になって、北京の空港で荷物を調べられて、“中国を打倒せよ”などという手紙が出てきたら私はどうなっていたでしょう。慄然としました。危なく当局と彼の張った網にかかるところでした。

 このように罪のない旅行客を陥れる手段もあるのですね。そうそう、知らないで麻薬を運んで空港で捕まって死刑になった夫婦もいました。

 

 一般に中国の国家予算は国防費よりも安全局の予算のほうが多いといわれています。

ウイグル人などが安全局の為にスパイをすれば、その人の1か月分の給料に相当する金額を与えられるといわれます。民族差別で貧困にあえぐウイグル人にとって魅力的な爐△甼漫です。ですから“ウイグル人の3人に1人はスパイだ”という説がまかり通るのです。

 

 きょうの写真もすべてイメージ写真です。

 いまでは、このようなブログに写真を掲載されるだけでも、当局からにらまれるので「削除してほしい」といわれます。

 ですから、ここの写真の何枚かは私とは全く関係のない方がたです。

「大盥鶏(ダーバンジー)」という料理です。むかし、北新疆の「沙湾」というところで、

回族の男が生きた鶏を持って山の上にいたカザフ人の友人を訪ねました。

何も食べるものがなかったので、鶏を絞めて、ジャガイモと野菜を入れて食べたところ、

大変おいしかったので、2人で山を下りて商売にしました。

このおいしい料理が大評判となって、今では国中で出されるようになりました。

この人たちは、ウイグルの人びとを心を打つ音楽「十二ムカーム」の演奏者たちです。

私たちの「日本シルクロード文化センター」創立記念に演奏していただきました。

それ以来の交流です。

たまたまレストランで一緒になった方の娘さんたちです。どこの街だったか忘れました。

とてもかわいいお嬢さん姉妹でした。

ホータンのバザールのおじさん。いい笑顔です

どこで会ったのか忘れました

どこかのオアシスのバザールですね

| シルクロードの光と影 | 10:27 | comments(0) | - |
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