シルクロード日誌

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東トルキスタンの歴史概況と中国の民族政策 ―イスラームの国際的影響と21世紀―   いわお たかし  2000年9月19日

※今回の文章は2000年9月に日中友好協会の研究誌『中国研究』誌に掲載されたものです。

 このときは、当時使用していた「いわお たかし」の筆名で執筆しています。

 前回のブログ同様、20年前の時点で分析し、執筆したものですから、そのごの事件や出来事は当然、反映されていません。その点をご理解の上、お読みください。野口

 

                                    

はじめに

ソ連崩壊以降、民族問題とりわけイスラム教とのかかわりからくる民族問題が一気に国際化し、政治問題として浮上してきている。

本稿では、はじめに地球人口の4の1を占める約13億人のイスラム教について、昨今の世界各地の状況とその原理および「イスラム原理主義」の現実について触れ、ついでイスラム教を信奉する中国・新疆の各民族の歴史状況と東西トルキスタンの歴史、さらに中国共産党の民族政策の変遷と現在までの「民族区域自治」政策について、分離・独立の動きとのかかわりで触れてみたい。

 

 20世紀末、1990年代に生起したイスラム教及びイスラム原理主義に関わる世界各地の出来事・事件を列挙すると次のような多きにわたる。

 

ソ連崩壊後の独立した連邦構成共和国


1.アルメニア 2.アゼルバイジャン 3.ベラルーシ 4.エストニア
5.ジョージア 6.カザフスタン 7.キルギス 8.ラトビア 9.リトアニア
10.モルドバ 11.ロシア 12.タジキスタン 13.トルクメニスタン
14.ウクライナ 15.ウズベキスタン

 

湾岸戦争とソ連の崩壊、

旧社会主義政権とイスラム原理主義との錯綜した中央アジア諸国の独立と民族紛争、

ソマリア紛争、

南アのアパルトヘイト体制の終焉、

アルジェリアの内戦状態の発生、

チェチェン紛争の泥沼化、

ボスニア紛争、

イスラム原理主義に則ったアフガニスタン・タリバーンの登場と政権奪取、

エジプトのルクソール観光客襲撃事件、

愛人がイスラム教徒であったダイアナ妃事故死、

インド・パキスタンの地下核実験競争、

スーダン、アフガニスタンへの米巡航ミサイル攻撃、

マレーシア政権内部の変動、

インドネシアでのスハルト政権崩壊とワヒド大統領の出現、

コソボ問題とNATO爆撃、

キルギスでの日本人技師人質事件、

ローマ法王ヨハネ・パウロ二世の聖地エルサレム訪問、

中国の内陸開発計画、

南部フィリピンやフィジーの動向、

米国や欧州でのイスラム教徒の急増、

仏パリ近郊のクリシーの路上で祈りをささげるイスラム教徒の人々(2017年11月10日撮影)。(c)AFP/ALAIN JOCARD

 

 

そして中国・東トルキスタン(新疆)における分離・独立の運動や国際化しているチベット独立問題などが厳しく存在している。

 

さらにイスラームの動きについて、具体的に立ち入ってみよう。

 世界を震撼させた“イスラム革命”から20年。イランでは保守派と改革派が命運をかけて戦った。世界が注視した選挙の結果は改革派の圧勝だった。イランは民主化への道を歩むことになった。が、前途は多難である。

イランに帰国したホメイニー

 

※前回もそうですが、今回も私の撮影した写真以外は、ほとんどをネットから拝借しています。

 

 

 アジア最大のイスラム教徒の国インドネシアでは、98年の総選挙でイスラム政党が大躍進。指導者ワヒドが大統領になりメガワティが副大統領になった。ワヒドはインドネシアからの分離独立を求めるアチェ州の説得に、イスラムの寛容の精神を掲げているが、アンボン島でのイスラム教徒とキリスト教徒との殺し合いの根は深く、憎しみだけが残っている。

16世紀にさかのぼってオランダ植民地時代に、キリスト教徒を優遇しイスラム教徒を酷使する差別の種がまかれていたからだ。争いが起こる前までは、隣近所の仲良しだったものが、宗教の違いだけで、集団で襲撃し、殺し、犯し、焼く。根は深い。

 

 トルコでは、人口の98%がイスラム教徒でありながら、政教分離の立場からイスラムの政治活動は禁じられている。しかし、99年8月17日はトルコを襲ったM7.4の大地震は人びとのイスラムへの信仰を呼び覚ました。被災者たちは瓦礫の下からイスラムの聖典のコーランを真っ先に取り出し、大きく傾いたアダバザールのモスクの前でアッラーへの祈りを捧げた。今後、トルコにおいてイスラムを標榜する政党が非合法化されるか、EU加盟ともからんで民主化の行方が注目されている。しかし、1年過ぎた今もいっこうに復興ははかどらず、真夏の炎天下50度のテント生活を強いられていた市民も多い。

 

 ソ連の崩壊後、イスラムの復興が急激に進むロシア。

チェチェンが南のダゲスタンを占拠した。その“解放”の目的で、ロシア軍はチェチェンの首都グローズヌイを攻撃、カフカス山麓での冬の悲惨な戦闘が続いた。廃墟と化した首都を捨てたチェチェンのバサーエフ司令官は山岳ゲリラ戦を宣言した。それにたいしてロシアは“テロリストの一掃”を掲げて大量の軍隊を送った。イスラムを信じるタタルスタンのわかものたちが、祖国ロシアに背を向けてチェチェン軍に加わったという話もある。実に多くのことが、イスラムを信じイスラムに生きる人々に関わりのある地域で起きている。

| イスラーム関連 | 09:24 | comments(0) | - |
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