シルクロード日誌

日本シルクロード文化センターのブログページです。シルクロードに関する情報、コメント、旅日記などを綴ります。
第97回シルクロード講座、真面目に聞きました

 10月の講座は、初めてのことですが朝鮮大学校の河創国(ハ・チャングク)先生の講義でした。

 ハ先生のお話を聞きたいと思ったきっかけは、今年6月に行われた歴史的な「米朝会談」とその前の「南北首脳会談」がありました。

お話をするハ・チャングク先生(左)

 

 いまテレビで日本各地の「秘境」を訪れるなどという番組がはやっていますが、シルクロードにおける秘境は拡大の一方です。

 私も行ったことのあるシリアは内戦状態で行かれません。また、アフガニスタン、イラクなども危険な地域となっており、平和が回復しなければ行かれる状況ではなくなっています。

 

 その北朝鮮=朝鮮人民民主主義共和国も、アジア太平洋戦争で日本が敗北して以降、ソ連(当時)とアメリカの拮抗と対立、その後の朝鮮戦争以来、北部に関しては一般の古代歴史研究での入境は難しい状況となっています。

 しかし、米朝会談が再開され、休戦状態が南北の友好と平和に転換していけば、この状態がかなり開かれてくると思われます。

 

 わたしたちの仲間から「渤海」の研究で北朝鮮に行きたいという人が出てきています。私もぜひ同行したいと思いました。

 三国時代から高句麗を経てきた朝鮮半島の歴史や遺跡などが世界に公開されていけば、世界各地から大歓迎を受けることでしょう。まさに“シルクロード(研究)は、平和とともに”だといえます。

 お話は次第に熱を帯びて高句麗に入っていきました

 

 

 そんな世界の動きの中からこんどのシルクロード講座が実現したのです。直接のきっかけは、6月に小平の朝鮮大学校で開かれた「南北首脳会談」と「米朝会談」をどう見るかという朝鮮南北の識者のシンポジウムにわたしが参加した際にハ先生を紹介されてシルクロード講座への出席を依頼したことで実現できたものです。

 

 本題に入りましょう。

 このブログの冒頭にうっかり「講義」と書いていまいましたが、出席者はまさに若き時代に経験した大学の講義を受ける気分になっていました。

レジュメと首っ引きでお話しを聞きます

 

 

 お話はまず、原始時代からはじまる朝鮮の歴史からはじまりました。

 新旧石器時代から古代の古朝鮮・扶餘・辰国、檀君神話そして三国時代(高句麗、百済、新羅、伽耶諸国)のお話し。ハ先生の専門は高句麗だそうですが、しずかな語り口でお話しされる語り口に出席者も真剣に耳を傾け、レジュメに目を通していました。

 

 おはなしの最後は、高句麗から高麗にかかわる日本のことでした。

 高麗が朝鮮語で「コリョ」と言うようですが、そこから来た言葉の「狛江」という由来は知っていましたが、埼玉県の「新座」は「新羅」から来た言葉だということも初めて知りました。

 

 出席されたみなさんも真剣にお話を聞くうちに時間の4時少し前になってしまいました。懇親会の場を駅前に移しましたが、カンパイのあと目の前のものを食べることになりますが、ハ先生は一向に箸をつけません。だれかが「今日の講師ですから、まず先生からどうぞ・・・」といっても食べません。よくよく伺うと「私より年上の方がいらっしゃいますので、わたしはそのあとで・・・」ということです。合っているかどうかわかりませんが、これが朝鮮民族に脈々と流れ続いてきた「儒教思想」というものだと感心してみていました。

 

 久しぶりに真剣に聞いた(いや、いつもなのですが・・・)お話しで清々しい気持ちになっておいしいものを飲み、且つ食いました。

| シルクロード講座の報告 | 03:30 | comments(0) | - |
いま新疆シルクロードは地獄と化している!! ――あるウイグル人の慟哭――

下記の文章は、私たちがいつもガイドをお願いしているガイドが所属しているウルムチの旅行会社からのメールです。なぜか、親友の彼からのメッセージはなかった。私たちをいつもガイドしてくれるガイドNからは、昨年末に緊急電話があって以来、行方がしれません。おそらく再教育センターに拘束されているのだと思います。彼が日本に1年間ほど来たときは拙宅にステイしました。それほど私とは親密だったのです。

今日の写真もイメージ写真です。

今後はウイグル人の友人の顔の写った写真は使えないですね。

この写真は、ウイグルの地では、どこでも見られる絵です。

ウイグル人は踊りが好き、歌が好き。

この絵が今でもみられるのか、心配だ。

 

 

このメールを送ってきた漢人の人物を、私は誰だか推測できます。

 

いつだったか私がウルムチのホテルに投宿したとき、たまたま彼が宿泊の手続きをしてくれたのですが、翌朝の朝食券が1枚余りました。彼はそれを持って帰って、翌朝はおしゃれをした奥さんとその友人2〜3人を連れてきて食事をしていたことを覚えています。

この写真は12月のホータン郊外の小さな集落のバザールの光景です。

いま、ウイグル人の「ロバ車」はホータンやカシュガルなどの都市へ入ることはできません。

交通の障害になるからということです。

すべてが開発優先、漢人優先です。

 

 

その彼(たぶん)からの会社からのメールです。

 

野口さんへ

久しぶりです、お元気ですか? 

お陰様でいま現在、私たちも元気です。

 

このメールアドレスは事務所共通用のもので、何かありましたらこのメールに送ってください。今まで使ってきた個人用のメールは使えないことになっています。

 

それから、携帯電話も国際電話は受けられないので、事務所の固定電話にかけてください。

事務所の電話:+86-991-2325○○○   ○○○○○○  

よろしく お願いします。

 

最近は観光客があんまりないので、仕事も少ないです。

野口さんは今年はどこへ行く予定ですか。

では、とれあえず 連絡まで

2018.4.12

この写真も12月のウルムチ中心部の夜店です。

どんなに寒くても、かれらは夜店が好きです。私もですが・・・

 

 

電話もメールも個人のものは使えないことになっています。

中国憲法で言う「通信の自由」が、ここでは平気で破られています。

このように、いま、新疆ウイグルとチベットは先進国であるのに、法律がないがごとくの無法地帯になっているのが現状です。

今の新疆ウイグル自治区の党委員会の書記(最高責任者)はチベット自治区から移転になった人物です。

 

私の友人の妹の夫の父親は、かつて新疆ウイグル自治区人民代表大会の、日本で言えば官房長官のような人物だったのですが、その人も今はどうなっているのか、皆目わかりません。

いったい、この事態はどういうことなのでしょう・・・・・・

| シルクロードの光と影 | 08:56 | comments(0) | - |
いま新疆シルクロードは地獄と化している!! ――あるウイグル人の慟哭――

次は、私の長年の研究仲間で、いま、北欧スウェーデンの首都ストックホルムに住んでいるウイグル人の友人から、血を吐くようなメールが来ています。それを紹介しながら私のコメントを入れます。太字の車線の文字が彼女のメール内容です。

 

大変ご無沙汰していました。申し訳ありません。

お元気でいらっしゃいますか。

奥さんもお元気でご活躍されていらっしゃるでしょう。

おかげさまで、私たちも元気に生きています。

大きな変わりはありません。

※今日の写真もすべてイメージ写真です。

 

ここはカシュガルのエイティガル寺院の近く。ラマダンの時期の夕食の時間です。

みんな日暮れを待っています。私があいさつすると「寄っていきなよ」と声をかけてくれます。

 

 

残念ながら、妹はまだまだそのキャンプにいます。

筆者註 )紊気鵑郎G2月にウルムチからのツアーでトルコに行ったとのことで。日本の私たちの普通の海外ツアーと何ら変わらない旅行に行ったことがとがめられて、帰国した空港からそのまま「再教育センター」のようなキャンプに拘留されて、現在もまだキャンプにいるとのことです。

 

母は、3ヶ月間共産党の政治勉強に通ったようです。

筆者註◆”卒がちで間もなく80歳になるお母さんは、10年ほど前、日本に在住していた娘と孫に会うために日本へ来たことのある方です。“海外へ行ったことのある者は再教育だ”という主旨であったならなんという時代錯誤でしょうか。そのどこがいけないのでしょうか?

お母さんはかつて文化大革命の時に、ブドウ園を経営していただけの理由て、「地主」だと批判されて、三角帽子をかぶせられて、市中引きまわしにあったそうです。

 

家族とはまだまだ連絡を取ることができず、悲しい毎日です。

ただ、北京のある大学にいる私の漢人の友人をとおして情報を得ています。

このような事情はいつまで続くのかはわかりません。

いま、ウイグル人は、歴史の中で一番残酷な日々に当たっています。

カシュガルのレストランの娘さん、20歳だといってました。

後ろにはちゃんと母親がついています。

 

 

ところで、野口さんはお元気でご活躍され、海外流行はされていませんでしたか?

息子の奥さんが軽い「産後うつ病」になり、この3ヶ月間、孫の面倒をみました。

あかちゃんはもう5ヶ月となりました。

ご家族の皆さんにどうぞよろしくお願いします。

ではお元気で

○ ○ ○ より

 

カシュガルからパキスタンへ向かう「カラコルム・ハイウエイ」。

以前は少し雨が降ると通行止めになっていました。

 

| シルクロードの光と影 | 03:09 | comments(0) | - |
いま新疆シルクロードは地獄と化している!! ――あるウイグル人の慟哭――

消息不明になっているあるウイグル人の家族のもとへ、当局からの請求書が届きました。その請求内容は、驚くべきことに、拘束していた人を銃殺するために使った銃弾の代金と殺害された人の遺体を家族のもとへ送り届ける「棺桶」の代金だといいます。

いま、新疆やチベットの地では、公開裁判のない“裁判”がひそかに行われていて、そのようなことが起きています。

 

さらに衝撃だったことは今年の1月、南新疆の街カシュガルの空港である日本人旅行客が、次のような掲示が張られているのを見たそうです。

 

中国の空港では、一般旅客の通路とは別に、政府や軍の幹部のために特別に早く通すための通路があるのですが、そこに次の言葉が付け加わっていました。「人体器官運輸通道」。

これはいま中国で「全民検診」ということが勧められているのですが、要するに“人体の腎臓や肝臓などを急いで通すので道を開けておきなさい”という掲示です。

 

その「人体器官」が、最近になって急速に増えているそうです。その結果、1900万人の生体バンクが完成し、その対象者は、ウイグル人・チベット人や独立志向の人びと、少数民族あるいは気功集団・法輪功・キリスト教少数派などです。当然、それらの人はすでに殺害されているわけです。

 

さらにこれらのドナー登録で巨大な利益を得るものが続出しています。

それらの為に、この「特殊旅客・人体器官運輸通道」が、当局は当たり前のこととして、良心の呵責も痛痒も感じないで掲示したものと思えます。

国際的な団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」も、このことについてはかなりの労力を使って活動しているとのことです。

私がなぜこの写真を使うのかは不明ですが、要するに記事と関係のない写真を使用しているからです。

きのうまでの写真も同じ理由です。

ここは新疆の首都ウルムチのロシア風ホテルのレストランです。

 

国際的な批判が高まっている一連の出来事に関して、中国政府は「内政干渉だ」と反論していますが、すでに「人権批判は内政干渉ではない」ことは国際的な常識になっていることを中国政府は知らないのか、あるいは無視しているかのどちらかでしょう。

 

次の文章は、先日、ネットに出ていた私も知らない人の訴えです。

文章と内容は極めて穏便で、彼あるいは彼女の安全に配慮したものになっています。

敦煌・莫高窟

 

消息を絶ったウイグル人学生を救って!

 

マレーシア工科大学で学んでいたグリゲイナ・タシマイマイティさんの消息が、故郷の中国・新疆ウイグル自治区に戻った昨年12月26日以来、分からなくなっています。

グリゲイナさんの家族や友人は、政治的再教育のための施設に拘禁され、拷問や虐待の危険にさらされているのではないか、と懸念しています。

 

現在、新疆ウイグル自治区当局は、ウイグル族などイスラム教徒の少数民族に対して強硬な取り締まりを行っており、宗教家や海外につながりがある人たちが狙われています。そんな状況を心配した友人や家族は帰国を止めようとしましたが、グリゲイナさんは連絡が取れなくなった両親のことが心配だからと、反対を押し切って帰省しました。

 

グリゲイナさんはマレーシアを発つ前に、無事の合図としてウィーチャット(微信・中国のソーシャルメディア)のプロフィール写真を毎週変えると友人と約束していました。帰国後、写真が差し変わったのは1度だけで、数週間後には陰鬱なモノクロ写真に変わりました。刑務所にいるように見えるものでした。

同じ敦煌・莫高窟です。

 

 

拘束されているグリゲイナさんを今すぐ釈放するよう、中国当局に要請してください!

 

ウイグル自治区では弾圧の対象になった人たちが「反過激主義センター」「政治学習センター」「教育と転換センター」などと呼ばれる再教育施設に、不当に拘束され、中国の法律や政策を学ばされます。報道によれば、自治区政府は留学中のウイグル人全員に帰国を命じる方針を打ち出し、帰国した学生たちを懲役刑にしているとのことです。

 

 

| シルクロードの光と影 | 07:01 | comments(0) | - |
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