シルクロード日誌

日本シルクロード文化センターのブログページです。シルクロードに関する情報、コメント、旅日記などを綴ります。
大相撲春場所とマスコミ
 本場所前からテレビや新聞は、琴奨菊が優勝して横綱になるかどうかで大騒ぎでした。相撲は中盤まででなく、終盤戦10日目くらいからが本当の星のつぶしあい。その琴奨菊は、きのう12日目が終わった時点で優勝した先場所を除いたいつものような8勝4敗です。
 
 つぎは稀勢の里が全勝中だというと、今度は“稀勢の里初優勝か”とまた大騒ぎです。きのう取り組みが終わった時点で2敗。初優勝の夢はほとんど消えました。同じ2敗には豪栄道と妙義龍も並んでいます。結果はまだわかりませんが、今までの相撲を見ていると、やはり本命の白鵬が迫真の体当たりで単独トップを驀進中という状態になりました。

大相撲三月場所11日目 白鵬は寄り倒して稀勢の里の全勝を止める
=23日、エディオンアリーナ大阪(寺口純平撮影)
 
 マスコミはなんと定見のない姿勢だろうかとハラが立っています。相撲の醍醐味は、ケレンのない立ち合いと全力でぶつかってどちらが勝つかという瞬間的なドラマです。それまでのけいこやトレーニングがモノを言います。そして“必ず勝つぞ”という闘志も重要な要素です。
 
 先場所の琴奨菊は見違えるような相撲ぶりでした。聞くところによると、体幹を鍛えるトレーニングに励んだとか。それが今場所までも同じように鍛えたのでしょうが、どうして負けが込んできたのでしょうか。わかりません。
 逸ノ城も今場所は見違えるような相撲ぶりです。ただ、彼は大の稽古嫌い。熱心に稽古とトレーニングに励んで、余計な肉を落とすことが課題です。

 
 私はいま蒼国来を応援しています。場内アナウンスで彼を「中国出身」といますが、すべてを国籍だけで決めていいものかと悲しくなります。彼は内モンゴル出身のモンゴル人なのです。「中国人」といわれるのは不本意でしょう。でもいま、それで相撲協会を攻めることはできません。協会に責任はないからです。

 幕下では「宇良」を応援しています。やはり、これからの相撲界を背負って立つ人を見つけて応援することも、これもまたひとつの醍醐味です。以前は魁聖、勢などが横綱候補だと思っていました。浮世絵のモデルいいと思えるほどの格好いい面構えです。しかし、勢がもたもたしている間に照ノ富士たちが出てきて地図を塗り替えてしまいました。でも、今場所の勢は好調です。
 
 蒼国来は相撲協会からあらぬ疑惑をもたれて解雇され、裁判に訴えて無実を主張し、潔白が証明されました。裁判を戦っている彼の激励会に出席したことがあります。それだけの理由で応援しています。
 
 それでもうひとこと言いたいことがあります。白鵬が「変わり身」で勝つと非難轟々(ごうごう)です。なぜでしょうか。それもこれも立派な相撲の決まり手。負けた方が弱かったのに、なぜ、勝者が非難されるのでしょうか。それは、白鵬が日本人ではないということが理由なのではないでしょうか。
 
 さらにはいつも“横綱の品格”を言いだします。横綱は変わり身をしてはいけないのでしょうか。横綱といえども必死に相撲を取っていることでしょう。“弱い横綱”といわれる鶴竜がそうです。必死なのです。軽量がゆえに必死に相撲を取らなければ勝てないのです。

 相撲の勝負で品格が必要なのはアスリートすべてではないでしょうか。横綱にだけ品格を求めるのは本末転倒です。横綱が最高の地位だとはいえ、関脇、大関の次の地位ということです。
 
 琴奨菊が初優勝すると日本中が“日本人出身の横綱を・・・”となります。その期待は理解できますが、ここはグローバルに考えることが大切なのではないでしょうか。相撲協会が世界に門戸を開けて外国人力士を求めたのですから。相撲界全体が品格のある相撲を取り、名勝負を繰り広げることこそが、いま、大切なのだと思います。
 
 きょうは少し感情が勝りました。 
 
| 大相撲を論ず | 14:01 | comments(1) | - |
琴奨菊の優勝は大相撲界に何をもたらすか
 大相撲は誰もの予想を裏切って琴奨菊が優勝。新聞・テレビは「日本出身の力士の優勝は10年ぶり」とはやし立てています。
 先日までは「日本人の優勝力士を」と言っていたのが、相撲の国際化に伴って「日本出身の」というようになりました。これはこれで結構なことです。

優勝賜杯を授与された琴奨菊
 
 メディアは“日本出身の優勝力士を”といったり“稀勢の里は早く横綱に”と言い続けていますが、大相撲に入門した同じ力士が優勝したり奮闘するのに、なぜ、「日本人」とこだわるのでしょうか。
 
 豊富な稽古・訓練と技術向上の上に成り立つ見事な相撲を土俵上で展開してくれれば、それでいいのではないのでしょうか。どこの国出身の力士であっても、全力でぶつかって勝ちを納めていけば、それが相撲の価値であり醍醐味なのではないでしょうか。偏狭な“大日本主義”は大相撲をも滅ぼしかねません。
 
 幕内力士にはかなりの数の外国出身力士がいます。“同じ釜の飯を食った仲間”なのに、なぜ、そのうちの“日本出身力士の優勝や横綱”にこだわるのでしょうか。おかしいと思いませんか?
 かつて世界からイメージされた“島国根性の心の狭い日本人”のまま、日本人の優勝にだけこだわっていくと、70年前のあの暗い、そして排外主義としての朝鮮人や中国人を憎悪し、侵略していったあの姿とダブって見えてしまうのです。今問題になっている「ヘイトスピーチ」の裏返しのことだといわれかねません。


優勝インタビュー。私はこれを有楽町駅近くで見ました。
 
 それより、昨年暮れ、大相撲の力士会(会長・白鵬)は、巡業の待遇改善を求める「提案書」を尾車理事長に提出しました。その内容には、朝げいこの進め方やトレーナーの増員、巡業手当の増額などが盛り込まれていました。現に琴奨菊が先場所から見事な変貌を遂げた裏には、レベルの高いトレーナーが来たからだということは、本人自身が語っていることです。
 まだまだ封建的で家父長的な体質が色濃く残っている相撲界で、このような「提案書」を出すことは、稀(まれ)なことですし、それだけ深刻な事態になっていることだと理解できます。

 考えてみると隔月に大相撲が開催されます。けがをした場合、ゆっくり治療する時間が必要です。休場すると陥落です。現に遠藤は足の膝が逆に曲がってしまうほどの大けがをしても、本場所に出なければ十両陥落になるので、無理をして出場します。けがも治らないうちに出るので負けが込んでくるし、けがも余計に悪化する、こういう悪循環になって、結局、休場する羽目になってしまいました。来場所は十両です。十両から再び幕内にはい上がることは至難の業だといわれています。
 
 以前は、本場所の土俵で2カ月以上のけがをした場合には、次の場所を全部休んでも同じ番付にとどまれるという「公傷制度」がありました。これだと治療期間が3ケ月くらいあるので、けがもだいぶ治ってくると思います。しかし、この制度が好評だったために申請者が増えて、協会はこの制度をなくしてしまいました。なくすのではなく、けがを治すことに努力すべきなのです、協会は。
 これを自縄自縛といいませんか?
 
 白鵬もそろそろ限界に近付いたかなと誰もが思っているでしょう。私の見るところでは、あの猫だましや今場所9日目の栃煌山との相撲の変化相撲は、協会への彼の精いっぱいの抵抗だと思います。
 それは、優勝回数があれほど多く、相撲界の発展に大きな貢献をしていても、ただ単に、日本国籍を取得していないという理由だけで、相撲界に残る道を閉ざされ、「一代親方」にもなれないという相撲界の閉鎖性が原因しているといえます。

大相撲1月場所、十四日目 稀勢の里が押し出しで白鵬を破る=両国国技館(撮影・今野顕

 
 かつて朝青龍は、石もて追われるがごとくに、相撲界から追放されていきました。このままでは、あたら優れた白鵬という力士を相撲協会が追い出すかかたちになります。そんなことでいいのでしょうか、相撲協会理事会は。
 猛省を!
 
| 大相撲を論ず | 11:04 | comments(0) | - |
十五夜のきのう、大相撲千秋楽を見てきました
 きのう27日、大相撲の千秋楽を見てきました。
 私が前回、大相撲を見たのは、忘れもしない「阪神・淡路大地震」の当日、1995年1月17日でした。当時、私が“相撲が見たい”と誰かに話していたのを聞いた方が、升席を紹介してくれました。夫婦2人で12万円でした。どういうことか金額だけは覚えているのですが、大地震で多くの仲間が苦難の中にいることだけが頭の中を駆け巡ってばかりで、相撲の内容や印象は全く残っていません。

生田新道 東急ハンズ三宮店東側
この上下の写真は、阪神・淡路大地震の写真です。

湊川熊野橋東側すぐ南・トポス東山店前。

 

正午前後、まだ人の通りも少ない時間帯ですが、国技館の入り口付近

 以前「シルクロード講座」でチベットの取材写真集を出した写真家の須藤明子さんにお話をしていただいたことがあります。その彼女が大の相撲ファンだということを聞いていたので、切符をお願いしていたのですが、彼女から声がかかってきました。席は2階B席。かなり後ろのほうでした。どういうことか“ここをスキーで滑るとかなりの斜面で面白そうだ”と思いましたが、相撲取りの顔もよく見えません。カメラの望遠レンズでやっと分かる程度です。それでよいのです。テレビで見ると実によく関取たちの顔も取り組みもわかるのですが、国技館の雰囲気や相撲ファンの状況なども見てみたいと思ったのです。
そして、気のついたことといえば、最近の特徴は、外国人と女性が実に多くなったということです。

十両の取り組みが終わる少し前にある「協会ご挨拶」。
挨拶は北の湖理事長ではありませんでした。

 
 入場したのはちょうどお昼の12時。6時間の長丁場です。ですから両国駅前で「ちゃんこ」の昼食を食べてから国技館に入りました。念のため、景気づけにビールとお酒も少し入れておきました。
余談ですが、「国技館」といっても、相撲は国技ではないのです。相撲協会が勝手に言っているだけであって、国の法律にも条例にもどこにも「相撲は日本の“国技”である」と決まっているわけではありません。で、幕下以下の取り組みも見たいと思っていたのですが、よくわかりました。まだ、席もまばらなのですが、熱心な相撲好きからひいきの取的に声がかかります。
 
ここは須藤女史とその友人が仕切っていて、25人の団体で席を確保していました。彼女は名古屋場所・大阪場所から博多場所(福岡場所かな?)まで見に行くけた外れの相撲ファン。友人たちの参加者も女性のほうが多いのです。それも「神戸から見に来ました」「山形からきました」という、いずれ劣らぬ相撲娘(だいたい30代から40代の女性が多い。男性も少しはいましたよ)たちが多いのです。
 私自身も周りからは、多少、相撲に詳しいと思われているのですが、彼女たちは私の数倍も数十倍も詳しいのです。私など、まるで初心者です。“高見盛が引退したのでふりかけのお茶漬けで懸賞をかけている永谷園は遠藤に乗り換えた”とか、「千代の富士の部屋は、自分がガンだし、よからぬ恐い人たちとの付き合いがあるので、あの部屋はもうおしまい」だとかいう話も平気でしています。
 受付では、その日の取り組みや星取表、どの会社が誰の取り組みに何本の懸賞を出しているかなどが詳しく書かれています。1本3万円。残りの3万年近くは引退の時に出るそうです。現役の時に使ってしまわないようにという協会の配慮ですが、しっかり手数料も取ってあります。


安美錦が妙義龍を素早くはたき落とした相撲

これはだれの取り組みだか忘れました
 
 さて、本題の相撲のほうですが、白鵬がけがで休場、日馬富士も休場。照ノ富士、鶴竜、稀勢の里の奮起で大分面白い場所になりました。本割では照ノ富士が勝ちましたが、優勝決定戦では鶴竜が勝ちました。鶴竜には本割で勝ってほしかったです。しかし、横綱になって初めての悲願の優勝です。

本割で照ノ富士が鶴竜を破った取り組み


優勝決定戦で鶴竜が照ノ富士に勝った取り組み


優勝賜杯が鶴竜の手に

さぞや嬉しかろう鶴竜、おめでとう!
2〜3年前、彼の出身地のスフバートルにも行ったことがあります。


 きょうの各紙は、2回にわたる“変化技”で横綱らしくない、と批判が多く出ていました。私は、立ち合いの変化も相撲の手に入っているし、反則ではないのですから批判的な眼では見ません。そのような勝ち方があることを知っていて負けたのだから、負けたほうを責めるべきだと思います。が、実に激しい批判があります。“卑怯なことをしないという、日本人の良いところだけを基準にして、感情的になっているだけだな”と思えます。それは軍国主義で利用された古臭い「武士道精神」につながるものでしょう。いまや大相撲も国際化の時代。日本人のそして横綱の「品性」だけで物事を判断していいものかどうか、ここはよく考えるところだといえます。

 変化技の鶴竜を批判さえしていれば、日本では安心ですが、いつまでもそうはいかないでしょう。
実際、モンゴル人あるいはモンゴルでは“強ければ英雄”なのです。立ち合いの「変化」は“卑怯な手”ではありません。弱いもの、負けたものは評価されません。強いものが尊敬されます。かつての朝青龍事件の際はどうでしょうか。彼が「事件」で引退した時も、モンゴルでは激しい日本批判がありました。「多少の暴力はいいんじゃないか」という考えがあるのも事実ですが、暴力はいけません。
 その朝青龍は、近年になってアジアレスリング連盟の理事をしていましたが、その彼が同じレスリング連盟の理事長である老人のモンゴル人を殴ったそうです。それでモンゴル国内の彼に対する評価が最低になりました。年寄を殴るなどは人間として許せないことですから。
 
 面白い場面がありました。
 十両の取り組みが終わって鶴竜の土俵入りの時、近くの席から誰かが「鶴竜!お前はモンゴルに帰れ!」と大声で野次りました。前日の稀勢の里との立ち合いの“変化”の相撲のことを批判しているのです。するとすかさず、あちこちから、実に多くの相撲ファンたちから「お前こそ帰れ!」との声が飛んで、そのヤジを打ち消してしまいました。それで彼は2度とヤジを飛ばしませんでした。これが本当に相撲を愛している、相撲を知っている人たちの気持ちなのだと私は思いました。私のまわりの女性たちも、「何言ってんのよ。あいつは相撲を知らないから、あんな勝手なことを言うんだよ!」と怒っていました。
 
 本題に戻ります。全治1カ月という診断のあったけがを押して出場した照ノ富士は、かなりの使命感に燃えて出場したのでしょう。最後まで土俵を盛り上げました。特筆すべきは、33歳のベテラン嘉風の大奮闘です。千秋楽のこの日の取り組みも実に“強い相撲取”だと思わせる取り組みでした。彼は2横綱2大関2関脇を下しました。比較的小兵の力士が思う存分土俵を暴れまわりました。実に小気味のよい相撲でした。殊勲賞と技能賞の獲得は当然でしょう。敢闘賞は栃の心でした。
 私が応援している蒼国来(館内やテレビの紹介では出身を「中国」と言っていますが、これが私には気に食いません。彼は、国籍はやむなく中国なのですが、彼はモンゴル人なのです)は、8勝7敗で勝ち越しました。良かったです。
 
 帰りには狢膠祺颪”というお誘いがありました。いつもは必ず出席する私ですが、若い人ばかりの宴席です。ご遠慮申し上げました。国技館を出て仰ぎみた月が満月の美しさで輝いていました。ちょうど2〜3日前から「月の会」というサークルで東北へ出かけているワイフに電話しました。「国技館の月もきれいだよ」と。
 きょうの朝日の「天声人語」では“十五夜が必ずしも満月とは限らない”。翌日のきょう28日が満月だそうです。早々に家に帰って、刺身を切って、肉を焼いて、シラスおろしで“われら万障くりあわせて、独り酒をのむ”(井伏鱒二)です。「われら」とは、月との二人連れのことを言うそうです。うまい独酌になりました。
 
| 大相撲を論ず | 12:52 | comments(0) | - |
大相撲春場所が終わって――世代交代の時期到来か――
南のほうから桜の「開花宣言」が出されています。東京の標本木である靖国神社の桜も、きょうかあすには開花するかもしれません。でも、開花宣言を決める標本木は皇居に移ったというガセネタがうちの奥さんから出されましたが、真偽のほどはわかりません。
そして、大相撲大阪春場所が、やはり白鵬の6場所連続34回目の優勝で終わりました。
今場所の感想を一言で語ると、照ノ富士の急速な台頭と進歩、それに白鵬以外の大関陣のふがいなさでした。

賜杯を受け取る白鵬

大相撲三月場所十三日目 照ノ富士は白鵬を寄り切って
初黒星をつける=20日


 
長い間、稀勢の里が横綱候補だといわれ続けてきましたが、ご覧になったようなダメ大関ぶり。千秋楽の照ノ富士と豪栄道戦の息詰まるような、自らの体が動き出してしまいそうな大熱戦のあとの、琴奨菊と稀勢の里のお通夜のような取り組みとは、まさに月とスッポン、雲泥の差いでした。
 
後出しじゃんけんではありませんが、わたしは2〜3場所前から、「照ノ富士は近いうちに必ず長足の進歩を遂げるだろう」と思っており、周囲にも言ってきました。
「周囲」といっても、うちの奥さんといつも会議で一緒になる仲間くらいですが・・・
照ノ富士と逸ノ城は一場所ごと、いや、相撲の一番一番を取るたびに、“寝て起きると強くなっていた”状態でした。今年から来年中には間違いなく大関にはなるでしょう。

初の殊勲賞、2場所連続2度目の敢闘賞に輝いた
新関脇の照ノ富士

 
現に相撲協会の審判部副部長は、私見だが、と断りながらも「来場所14勝1敗」で優勝すれば、大関でしょう」と朝日新聞に語っています。とりわけ13日目に白鵬と真っ向から勝負して、大相撲の結果、堂々と勝ちました。これだけでも立派に“世代交代の兆しか”といえるものでした。
もうすでに、桜前線と争うように大相撲の世代交代はそこまでやってきているようです。しかも、今の大関陣を飛び越える形で。

逸ノ城と照ノ富士の対決

 
閑話休題
 
私が大相撲を見る時の“応援”の尺度はこうです。その時点で負けが込んでいるほうかあるいは番付の下の力士を応援します。
ところが、今場所の中盤頃になってから気がついたのですが、私が応援している力士の多くは、ほとんどモンゴルの力士になっていました。
 
白鵬は光が丘公園でのモンゴル相撲(ブフ)大会で同席して、握手とあいさつを交わしたことがあります。モンゴルのウランバートルでは、いまでもモンゴルの英雄と尊敬されている白鵬のお父さんと親しくお話をしたことがあります。白鵬の強さは抜群であり、まさに“平成の大横綱”です。

白鵬と日馬富士の千秋楽対決

 
今場所休場した鶴竜。わたしは彼の生まれ故郷モンゴル・スフバートルへ行ったことがあります。同じブフ大会でも同席しました。頭のよさそうな、いかにも良家のお坊ちゃんのようですが、まだまだ相撲が甘いので、もっと強くなってほしい力士です。
今場所勝ち越した蒼国来とは何度も会ったことがあり、彼が相撲の八百長問題の冤罪で力士をクビになってから、無実の信念を曲げずに戦っていました。わたしも彼の無罪を信じて裁判を応援していました。そして晴れて無罪となり土俵に帰ってきました。とても好青年です。
 
1年ほど前、あるスポーツ研究会の席で、テーマとは全く違う横綱の後継者の話になりました。私は即座に言いました。まだ、逸ノ城が出てくる前のことですが・・・・
「将来横綱になる器は、魁聖・勢・隠岐の海だ」と断言しました。負けが込んでも、そして負けても負けても伸びシロを持っている、将来、横綱になる可能性を秘めていると確信していました。必ず、勝ちに乗って出世してくると思っています。でも、その私の予想をも裏切って逸ノ城と照ノ富士が出てきてしまいました。

大相撲三月場所十四日目 照ノ富士−逸ノ城は水入りとなり、
足の位置に印をつける式守勘太夫
=21日、大阪市のボディメーカーコロシアム(撮影・山田喜貴)


 
逸ノ城も今場所は照ノ富士の大活躍に比べて影が薄かったようですが、それでも1横綱2大関を破っています。大変なものです。来場所は三役復帰間違いなしです。
一方、モンゴル人力士以外の日本人力士にも有望株はいます。栃煌山、宝富士、栃の心(グルジア人ですが)、千代鳳たち・・・・

千代鳳が蒼国来を送り出す

 
1年で6場所ある大相撲のテレビ観戦は、私にとっては無上の楽しみです。その2週間は、なるべく会議などの予定を入れないようにしていますが、どうしても用件が出てしまうと録画をしておいて、帰宅後、晩酌をしながら一番一番見るのが楽しみです。来場所は両国まで行かなくてはなりません。
今、調べて困ったことがわかりました。実はこんどの夏場所は5月10日から始まります。すると、サンクトペテルブルグのエルミタージュに行く私の日程は、12日から19日まで。まるっきり、相撲の時期にかぶさってしまいます。困った!困った!

 
初場所後、白鵬が審判を批判していった言葉が問題になっています。その批判にはうなずけるものがありますが、私の受け止め方は、“日本人ではないから・・・”という嫉(そね)みがあるように思えてなりません。ですから、「日本人の横綱がいない」という言葉になってきます。かれらが日本に帰化していれば、立派に日本人の横綱なのに、です。日本の、これまで閉鎖的だった大相撲という社会の規範からだけで、いつまでもモノを見ていてはなりません。
 
それは逸ノ城が急速に表面に現れた時にもありました。テレビ解説などでは、さかんに「逸ノ城は、なにしろ遊牧民出身なので・・・・」と言っていました。「遊牧民出身だからなんだ」ということは言いません。昔からあった、遊牧民は生肉を食らって、動物の毛皮を着て、野蛮で・・・という中華思想から来る忌まわしい蔑視が底に潜んでいるような気がします。どうして、相撲の内容そのものからモノを見ないのでしょう。外国人力士の活躍と一緒に、わたしたち日本人の国際化も促進しなければならないと思います。
 
話は変わりますが、協会の北の湖理事長は“力士を引退して親方になるには、日本国籍でないとダメ”ということになっているようです。相撲が「SUMOU」と国際化してきているのに、なんと時代遅れなことかと呆れています。
もうひとつ。さらに65歳定年制を5歳延長する話もありますが、これは定年まじかの親方たちが自分の既得権の延命を図る打算から出たものだということもあります。
 
相撲取りが自分の相撲人生を終える話とともに、大相撲の世界に入ったとき、必ず入る「相撲教習所」があります。
例えば外国人の場合、外国から日本へ来たばかりの少年たちに、日本語でペラペラしゃべりながらの講義は、朝稽古で疲れ、腹ペコの朝食前の若ものたちにとっては、まるで頭の上を流れていくお経のようなものです。猫に小判、馬に念仏、いや若ものに念仏です。ある程度、相撲経験と日本語がわかるようになってからの「再研修」も必要です。
 
“相撲のお行儀”というより、“日本の習慣”を教えることが大切です。私は人の家に行ったとき、その家の敷居を踏むと親からひどく怒られたものです。
きのうのテレビ解説でも、土俵の俵を平気で踏む力士が多いという話。封建的という前に“日本の、日本人の常識はこうだよ”ということを伝えることは必要です。教えこむのではなく、です。
 
最後に。大相撲は国技だといわれますが決してそうではありません。どの法律にも「相撲は国技だ」とは書かれていませんし、国が認めたこともありません。“国技のように国民から親しまれている”ことが国技と勘違いしているのです。
ですから、国技館も「国立」ではありません。公益法人の私立のスポーツ団体の建物なのです。
 
その大相撲が、ますます近代化され充実して国民から親しまれ、しかも国際的にも評価されていくことを心から望んでいます。
 
一相撲ファンより
 
| 大相撲を論ず | 10:35 | comments(0) | - |
蒼国来の上手投げ勝ち名乗り!
  花粉症の襲撃は一段落しそうですが、こんどはケヤキの花粉だそうです。

一難去ってまた一難と思いがちですが、私はこのケヤキは大丈夫なようです。2〜3日前から冷たい雨が降り、風も強く吹いています。温暖な春や初夏が来る前に、“そんなに簡単にいい季節はこないよ”と天邪鬼が言っているようです。春そして夏の来る前の試練の季節なのかもしれません。負けずに頑張りましょう。

そして、次に書くような春が来た仲間もいます。

 

蒼国来関

元蒼国来、復帰へ1場所猶予 名古屋場所からか

 八百長を巡る裁判で解雇無効の判決を受けた元幕内・蒼国来(29)=本名・恩和図布新(おんわとうふしん)、中国出身=の復帰時期について、日本相撲協会は本人が希望すれば1場所の猶予を与え、名古屋場所(7月7日初日、愛知県体育館)からの復帰を認める意向であることが2日、分かった。協会は3日に緊急理事会を開き、控訴断念と正式復帰を認める。元蒼国来はこの日、スポーツ報知の取材に「ただ、いい結果を待っている」とだけ語った。

 当初は番付表に名前が載らない「幕内最下位格付け出し」として夏場所(5月12日初日・両国国技館)での復帰が見込まれていたが、協会は11年4月の解雇から約2年間のブランクに配慮。夏か名古屋かについては元蒼国来に判断を任せる。土俵感覚を戻すための調整期間を望んで名古屋を選択した場合は、幕尻となる西前頭16枚目での復帰を検討している。

 協会は3日の理事会終了後、元蒼国来を両国国技館に呼び、今後について話し合いを持つ予定。本人が希望すれば、5日の東京・靖国神社奉納大相撲から再開する春巡業に参加する可能性も高い。4日以降は危機管理委員会を中心に、敗訴に至った経緯を検証する。

 関係者によれば、元蒼国来は夏場所で復帰する場合、八百長問題で11年春場所の中止が決まった後の同2月に「順席」として発表された序列、西前頭15枚目の復帰を希望している。

解雇無効の判決から一夜明け、桜の下で喜びを語る元蒼国来の恩和図布新氏。以上は報知新聞の記事から。

 

 これは4月3日の報知新聞のニュース記事です。

 わたしにとってはとても嬉しいニュースです。2010年夏場所、元春日錦との取り組みで八百長をしたとして相撲協会から引退勧告を受けましたがこれを拒否したため、11年4月に解雇されました。それ以来、ずっと裁判を闘ってきました。

 

 蒼国来関とは板橋区で開かれたモンゴル相撲の催しで白鵬関と一緒に会いました。昨年10月4日にも世田谷区の蘆花公園のモンゴル相撲の集いで会いました。

蒼国来関

 右は蒼国来関、中央は元十両の星嵐関(11年10月9日、世田谷区の蘆花公園で、以下同じ)

蘆花公園のブフ(モンゴル相撲大会)で準優勝を遂げた星嵐関(上下)


「裁判の状況はどうなってるの?」と聞くと、その頃はまだ解雇無効判決の見通しが立っていませんでしたが、元気よく「もともと証拠がないんですから必ず勝ちます」と語っていました。「稽古はどうしてるの?」と聞くと、「公園で相撲を取ったり、ジムで筋力トレーニングなどしています」とのことでした。

蘆花公園で受付をしていた美しいモンゴル娘たち

ブフ大会はお祭りでもあります。こちらはモンゴル舞踊研究会(主宰・マンダブインさん)で踊る日本人の佐藤淳子さん。

 

報道では、彼は「中国」となっていますが、出身は内モンゴルで、彼はモンゴル人です。本名・恩和図布新(おんわとうふしん)、29歳。

このあとは、土俵での相撲勘を取り戻して、立派に幕内力士としてつとめられるよう期待するばかりです。

毎月120万円の月給も支払われるとのこと。これまでの苦しい財布のもとでの生活からも、ある程度解放されます。

 

 八百長問題をめぐっては、元十両の星嵐関も地位確認などを求める訴訟を起こしています。彼も内モンゴル出身のモンゴル人です。都内の公園などで開かれるモンゴル相撲大会にたびたび出場して、つねに1〜2位を争っています。

 元幕内力士と元十両力士、この2人を、さしたる証拠もなく解雇した相撲協会の責任は厳しく問われるべきでしょう。

 

 “名選手は必ずしも名監督たりえない”という意味の言葉があります。相撲協会の理事会は、現役の頃の番付がモノを言います。

 これは全柔連(全日本柔道連盟)など少なからぬスポーツ組織にも皆当てはまることです。

 

この傾向が続くと、必然的に閉鎖的・封建的な傾向が強まり、組織防衛志向が強まります。これでは公益法人の資格が問われます。

相撲界も含めて多くのスポーツ団体や公益法人は、今度のことを厳しく教訓にする度量が問われています。

国民に開かれた、組織の民主的な運営が図られてこそのスポーツ団体です。そして、選手・力士の人権をも守ることがなくてはなりません。

 

しかし、正しいと思う姿勢を貫くこのお2人を見ていると、本当にすがすがしい思いがします。見事でした!協会を土俵の外に投げ飛ばした勝ち名乗りです。

| 大相撲を論ず | 05:14 | comments(0) | - |
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